郡上《ぐじょう》市の明宝《めいほう》地区で、行事やもてなしの際につくられる、砂糖が入った甘さのある料理を2種、紹介します。砂糖が貴重だった時代に、甘い汁は特別なごちそうでした。 菓子椀は、報恩講や法事をはじめ、節句のお祝いなどさまざまな行事でつくられます。具材を一つずつ味つけし、甘い汁をかけます……
県北の山間部にある水窪《みさくぼ》では、5月5日の端午の節句に、米粉かきび粉でつくった皮にあんを入れ、朴の葉(ホオノキの葉)で包んだ柏もちをつくります。きび粉はとうきび(とうもろこし)を挽いた粉のことです。水田がほとんどない水窪では米はハレの日の貴重な食物。普段は口にすることはなく、麦、あわ、き……