豚肉に甘辛の醤油だれをからめてご飯にのせた豚丼は、昭和初期、新しいメニューを考えていた帯広市の洋食調理人が、うなぎのかば焼きをイメージして完成させました。開拓時代、帯広では寒さに強くて残飯でもなんでも食べる豚が自家用に飼育されており、「牛は牛乳、馬は馬力、豚は食料」といわれたものでした。 春から……
さつまいもやにんじん、こんにゃく、油揚げを煮てかたくり粉でとろみをつけた料理です。赤飯や茶碗蒸しと同様、甘く仕上げるのが津軽地方ならでは。さつまいもを必ず入れるのが特徴で、普段は家で育てたさつまいもを使いますが、なくなったときは買い求めてつくったそうです。砂糖が入ることで具材がキラキラと照り、色……
府の中央部に位置する丹波地方は、山々に囲まれ寒暖の差が激しく、大粒で良質の大納言小豆や味わい深い黒豆や大豆がとれます。煮豆に豆ご飯、黒豆味噌、青大豆味噌など、豆は食生活に欠かせないものです。大豆や黒豆の枝豆も、ゆでて塩をふったり枝豆ご飯にしたり、呉和えにして食べます。 呉和えは枝豆をすりつぶした……
県北に位置する登米《とめ》市は、広大な平野部に田んぼが広がる一大稲作地帯で、伊豆沼や長沼など沼が点在する水郷でもあります。豊かな土地を背景に、ここでは昔から何かあればもちをついて食べてきました。正月はもちろん、お盆にはおみやげもちを供え、彼岸にもおはぎではなくもちをつきます。法事でも、以前は四十……