県北の長野市鬼無里《きなさ》を代表する料理の一つで、ゆでた麺をとうじかごに入れて、そのかごを温かい汁で温めて食べる「とうじそば」「おとうじ」の一種です。おとうじは県内各地で食べられていますが、鬼無里では野沢菜や大根葉を干した干葉の味噌汁を使うのが特徴です。おこがけは「おこうがけ」ともいいます。も……
わくど汁は、そばのだご汁のことです。椎葉村《しいばそん》の山中に源を発する耳川《みみかわ》流域では、カエルをわくどと呼びます。だんごに火が通ると浮き上がってきて、カエルが顔を出しているように見えることからその名がついたそうです。 村の西端部に位置する向山日添《むかいやまひぞえ》地区では現在も焼畑……
標高900mの「日本のチロル」と呼ばれる遠山郷《とおやまごう》・下栗《しもぐり》地区は、急傾斜が多い山間部で米の栽培が難しく、気候が冷涼なため、じゃがいもやそばが重要な作物でした。そばだんごは熱湯でこねたそば粉で輪切りにした塩さんまを包み、囲炉裏で焼いたおやきです。 かつては交通の便が悪く、流通……