山添村は、県の北東部、三重県境に位置し、奈良盆地と伊賀盆地にはさまれた大和高原にあります。海からも川からも遠く鮮魚の流通が難しかった頃、家庭ではさば缶が常備されており、これを米と一緒に炊きこんだのがこのご飯で、季節を問わずつくられてきました。旨みのあるさばと煮汁がしみこんだご飯は、汁物さえあれば……
緑の濃淡の模様が美しく、色も鮮やかなこの巻きずしは、「のり」ではなく「わかめ」で巻いたもの。新わかめのとれる春のすしで、旧暦のひな祭り(4月3日)の行事食として地域に伝えられてきました。県中部を流れる日高川が紀伊水道にそそぐ地域の日高御坊《ごぼう》では、この日を「しがさんにち」と呼び、わかめすし……
7月中旬から8月にかけて旬を迎えるなすと赤じそを使った料理です。津軽では赤じそのことを「じさ」ともいい、「なすのじさ巻き」ともいわれます。津軽の家庭では、梅干しを赤じそで包んだ「しそ巻き梅干し」を毎年たくさんつくるため、かぐち(庭)で赤じそを育てている家が多く、身近な食材です。なすを育てている家……