今月のテーマ(2)果樹のフェロモン利用■安いハマキコンで殺虫剤を4回減らす 青森県相馬村のリンゴ減農薬作戦
相馬村では販売面だけでなく、生産面でも農家の所得を増やす工夫がさまざまに展開されている。防除はその大きな柱―その有力な手段になっているのが価格が安いフェロモン剤・ハマキコンの利用だ。(『現代農業』2002年6月号) →記事全文へ ■野菜も果樹も、天敵味方に減農薬 フェロモン防除最前線!(『現代農業』1999年6月号より)話題のモモ産地,山梨県・大草モモ生産組合では、フェロモンを活用することで、殺虫剤は年4回、殺ダニ剤は0~1回に激減。市場も注目! そのほか、コンフューザーA&P防除の実際、減農薬の効果について、各県からの成果情報収録。コンフューザーA(リンゴ 土着天敵を保護利用する防除体系が見えてきた),コンフューザーP(モモ 県内289ha、16%で実施、殺虫剤半減もOKに),コンフューザーP(モモ 早生種ならばっちりだ 減農薬できる),コンフューザーP(ナシ 体系化はこれから。でも減農薬の道筋は見えてきた),コンフューザーP(ナシ 課題は分散する園での利用)。 ■葉の生育とフェロモントラップはここを見る
フェロモントラップを見ていると、害虫がいつ増えていくのかがわかり、いつ叩けばよいのかわかります。防除の適期がわかることで、無駄な防除をしなくてすみます。たとえば、シンクイムシは、五月に二回目の産卵を終えますが、この時期はモモの作業も一段落つき、桜も咲いてホッとするせいか、つい防除がおろそかになりがちです。トラップを見ながら適期を外さないように、確実に叩くようにします。 ■町内のダイズ畑すべてにフェロモントラップ設置ハスモンヨトウの適期防除がなされていないところでは、葉が幼虫によって食害されたために大幅に減収した圃場もありました。しかし私の圃場では、フェロモントラップの予察のおかげもあって、いずれの病害虫も収量・品質には影響せずにすみました。 ■ウメ・害虫(フェロモン剤の導入で土着天敵が定着)スカシバコン(性フェロモン剤)やIGR剤、越冬期のマシン油乳剤、石灰硫黄合剤の使用で土着天敵が定着し、殺虫剤の散布の大幅な削減に成功。アブラムシにはテントウムシ類、アブラバチ類、クサカゲロウ類、ウメシロカイガラムシにはヒメアカホシテントウやツヤコバチ類、ヒメコバチ類、イラガにはイラガイツツバセイボウやキイロタマゴバチなど、モンクロシャチホコにはブランコヤドリバエなど、モモのハマキマダラメイガにはクモ類、ゴミムシ、サムライコマユバチなどウメ園には多様な天敵相が保たれている。(中一晃 「ウメ・害虫 フェロモン剤の導入で土着天敵が定着<総合防除の考え方と実際>」『農業総覧 病害虫防除・資材編』より) ■その他のフェロモン剤情報フェロモン剤は新製品の発売および適用拡大など、大きく動いています。『農業総覧 病害虫防除・資材編』から拾ってみると… (以上、いずれも『農業総覧 病害虫防除・資材編』第10巻より) この他にも、コンフューザーR(コンフューザーAから対象害虫としてキンモンホソガが外れたもの)、コナガコン-プラス(野菜の害虫)、ハマキコン-H(チャの害虫)など、新しいフェロモン剤が登録されている。 |