〈第三紀層壌質~粘質土壌〉キュウリ(抑制+半促成栽培) | 課題:圃場整備後の排水不良の克服と塩類集積回避 栽培,生育:良苗。定植後の灌水をひかえて過繁茂を防ぐ 施肥:緩効性,速効性,液肥,硫安を組み合わせる 有機物:稲わら,鶏糞,ソルゴーのすき込み その他:暗渠施設,3年に1回の深耕,太陽熱消毒 | 佐賀県武雄市・古賀源一(46歳) |
〈砂壌土〉キュウリ(半促成+抑制栽培) | 課題:無農薬,波のない収量曲線で良品多収をめざす 栽培,生育:半促成反収20t。若苗,波のない生育 施肥:有機質主体。土こうじ+ボカシ肥の独自な施肥 有機物:牛糞+バークの完熟堆肥,反当10t その他:葉色による生育判断。黒砂糖農薬の活用 | 福島県鎌田・佐藤円治 (55歳) |
〈平地火山灰土〉 キュウリ促成+抑制栽培 | ○課題:無化学肥料,減農薬で良食味キュウリを30年以上連作 ○栽培,生育:促成反収15t。毎日1株1本と波のない収穫 ○施肥:土着菌入り極上ぼかし肥,鶏ふん+籾がら完熟堆肥,くん炭など自前の有機質肥料 ○その他:籾酢+天恵緑汁+カルシウムの全期散布で防除 | 茨城県総和町 松沼憲治(63歳) |
〈灰色低地土〉ハウス夏秋どりトマト | ○課題:施肥のむだをなくして土壌の塩類集積を回避 ○施肥:リアルタイム栄養診断に基づく施肥対応で跡地の硝酸態窒素を削減 ○栽培,生育:大幅減肥になっても収量は慣行以上 ○その他:4Hクラブの仲間と栄養診断に取り組む | 北海道亀田郡大野町 畠山誠(25歳) |
〈海成砂土〉トマトなど半促成栽培 | 課題:超若苗でも株が暴れず,少灌水でいける土つくり 栽培,生育:反収22t,秀品90%。稚苗定植の独自技術 施肥:元肥無窒素。骨粉,硫マグぐらい。追肥も少ない 有機物:籾がら+ラッカセイがらの完熟堆肥。過石入り その他:堆肥を通路へマルチング。平うね栽培 | 千葉県香取郡・古橋健良 (56歳) |
〈強粘質細粒赤色土〉 トマト,キュウリ・ハウス栽培 | ○課題:微生物資材の活用で連作障害克服と無農薬良食味野菜生産 ○栽培・生育:太く節間の短いしまった草姿,じっくりした生育 ○施肥:ボカシ肥の元肥・追肥施用 ○有機物:新鮮有機物(稲わら,籾がら作物残渣,米ぬか,など)と嫌気性微生物資材(カルスNC-R)で土中堆肥 ○その他:育苗床土に微生物資材(ネニソイル)の活用で土壌病害を防ぐ | 石川県穴水町 西出隆一(60歳) |
〈干拓地,沖積土〉 トマト・ガラス温室,ハウス栽培 | ○課題:土壌の比重調整,堆肥を用いた土の若返り ○栽培・生育:10a当たり10~12t,秀品率85% ○施肥:土壌のCECに合わせた施肥設計,追肥で補正 ○有機物:牛ふんオガ粉堆肥(ベター堆肥),ゼオライト入り堆肥,ピートモス入り堆肥 | 熊本県八代市 宮原和洋(41歳) |
〈細粒グライ土〉ナス促成栽培 | 課題:塩類集積,青枯病の対策。冬期間の収量維持 栽培,生育:反収16~17t。初期をのびのびと育てる 施肥:濃度障害を回避する有機質主体の施肥。追肥は液肥で 有機物:稲わらすき込み+籾がら主体の完熟堆肥 その他:10回の湛水除塩処理,太陽熱消毒 | 岡山県児島郡・坪下博 (46歳) |
〈沖積層埴土~埴壌土〉ナス無加温促成栽培 | 課題:無加温で多収をめざす。ガス障害などの克服 栽培,生育:反収17t以上。無加温むきのおちついた草勢 施肥:元肥を抑え追肥重点。カリ減肥。土によくなじませる 有機物:稲わら施用。20a分を切わらで その他:間断灌水による除塩。多回数耕うん | 福岡県山門郡・稗田久七 (54歳) |
〈砂土〉 糖度・硝酸・カリによる生育診断を活用したピーマン栽培 | ○課題:硝酸塩を減らし,日持ちのピーマン栽培 ○栽培:四作型で周年栽培,葉が厚く収穫量に波のない生育 ○施肥:有機配合と無機のコーティング肥料 ○その他:糖度計,硝酸イオンメーター,カリイオンメーター | 茨城県神栖市・原秀吉 |
〈水田転換の砂壌土〉ピーマン・促成長期どり | ○課題:冬期間の収量安定と秀品率向上 ○栽培:積極施肥で冬に安定,春~夏にも活力ある樹づくり ○施肥:物理性改善を軸に塩基バランスの適正化,苦土重視 ○その他:武田式土壌診断・施肥設計,養分濃度診断 | 和歌山県御坊市 小森勉(53歳) |
〈洪積層灰色低地土〉スイカ長期どり栽培 洪積層灰色低地土 | 課題:長期どりを支える土つくり。独自のトレンチャ農法 栽培,生育:春から秋まで連続どり。低温ぎみで良苗づくり 施肥:基準の2倍量を全量元肥に。追肥なし 有機物:モウソウチク,剪定枝,雑草,未熟牛糞 その他:トレンチャで深耕し,溝に上記有機物を入れる | 熊本県植木町・橋本行人 (53歳) |
〈細粒グライ土〉アールスメロンガラス室隔離床 | 課題:各種肥料障害,病害を克服し安定周年生産 栽培,生育:水切り良好の床土と株元灌水で徒長防止 施肥:過剰蓄積を防ぐ施肥と蒸気消毒後の除塩 有機物:切りわら利用と表面の練り土で床づくり その他:床土量を減らして水切りをよくする | 千葉県安房郡・遠藤政和 (53歳) |
無灌水,溝掘り深層施用の落ち葉堆肥でメロン,牛糞堆肥でトマトを有機栽培 | | 福島県喜多方市・小川光 |
〈沖積層砂壌土,一部壌土〉ハウス・促成イチゴなど | 課題:オーレスなど微生物の活用で連作障害克服 栽培,生育:しっかりした生育で長期どり安定多収 施肥:有機質主体,貝化石,ソフトシリカ,追肥は穴肥 有機物:おがくず牛ふん堆肥,魚かすボカシ肥 その他:特殊海藻資材使用,糖類の葉面散布,炭酸ガス施用 | 奈良県当麻町・永座康全 (-歳) |
〈砂丘未熟土〉イチゴ(液肥型) | 課題:砂地土壌での肥切れ・濃度障害の回避栽培,生育:施肥量半減で2割増収・大果率アップ施肥:草勢をみながら灌水チューブ(液肥)で施肥量調節有機物:完熟豚ぷん堆肥と発酵有機質(ボカシ)肥料の相乗効果その他:部会による自主的な減肥・生育試験の成果を生かす | 静岡県榛原郡・大石惣一 (69歳) |
〈粘質沖積土〉 休作期間の緑肥,完熟堆肥でニラ安定高収量 | ○栽培:反収6.3t,最上位等級80% ○施肥:有機質肥料+化学肥料。石灰窒素利用。液肥の追肥 ○有機物:牛糞+豚糞+鶏糞の完熟堆肥+緑肥(ビールムギ) ○その他:作型を上手に組み合わせる。定植までに6回耕起 | 栃木県栃木市大塚町・清水薫明(84歳) |
〈花崗岩質砂壌土〉軟弱野菜・近郊ハウス栽培 | 課題:葉もの連続栽培による地力低下,濃度障害の対策 栽培,生育:年による作柄差少ない。播種機による連続作業 施肥:生育をみながら追肥重点施肥,肥料の蓄積を防ぐ 有機物:稲わら堆肥とおがくず鶏糞堆肥を使い分ける その他:コマツナとサニーの組合わせ。数年おきに水田に | 広島県安佐南区・竹本脩 (59歳) |
米ぬか,石灰窒素,太陽熱消毒,管理機利用で減農薬・良食味のコマツナ,多品目野菜 | ― | 静岡県三島市・杉本正博 |
〈灰色低地土〉キク・ガラス温室栽培など | 課題:ネグサレセンチュウ,塩類集積の対策 栽培,生育:上位等級割合が高く,切り残しがほとんどない 施肥:元肥緩効性,追肥速効性で1:2の割合(促成) 有機物:牛糞完熟堆肥,麦わら+稲わらの堆肥,バーク堆肥 その他:2年に1回の深耕。1か月間の湛水除塩 | 栃木県真岡市・落合昌平 (52歳) |
〈火山灰土壌(黒ボク)〉 キク・ハウス周年生産―秋ギク・夏秋ギク | ○課題:高い秀品率の実現,活力ある丈夫な根と地上部 ○施肥:武田式土壌診断と施肥設計 ○有機物:黒ボクの未熟有機物の分解と有効活用 ○その他:塩基バランス施用と集積リン酸の吸収促進 | 鹿児島県肝属郡高山町 鳥越誠彦(35歳) |
〈腐植質黒ボク土〉 スプレーギク・養液土耕法 | ○課題:樹液と土壌溶液のリアルタイム診断と液肥で過不足のない施肥 ○栽培・生育:切り花長が2L以上で日持ちもよい ○施肥:液肥(微量要素入りと第一リン酸カリを適宜混合) | 栃木県下都賀郡壬生町 清水春夫(46歳) |
〈沖積地粘土層~礫層〉シュッコンカスミソウ | 課題:徹底した排水対策で生育コントロール 栽培,生育:初期生育を旺盛にして,ボリューム感をだす 施肥:流亡しやすい土壌で石灰質,有機質に重点 有機物:稲わら+麦がらの堆肥4t全層施肥 その他:カーネーションとの輪作栽培 | 北海道浦臼町・庄野高雄 (45歳) |
〈第三紀層,沖積土〉トルコギキョウ・ハウス栽培 | 課題:直根性で有機質肥料を求める本種のための土壌改良 栽培,生育:茎葉が剛直で日持ちのよい切り花づくり 施肥:元肥は有機質中心で追肥はコーティング肥料または液肥 有機物:有機物(鶏ふん,米ぬか他)多投で耕土の物理性改善 | 千葉県鴨川市・井田彰 (40歳) |
〈河岸段丘,沖積土〉アルストロメリア・温室栽培 | 課題:深根性で多肥を求める本種のための土壌改良 栽培,生育:やや細めでコンパクトな良品づくり 施肥:元肥は有機質,追肥は液肥で多回数 有機物:有機物多投と高うねで浅い耕土を克服 | 長野県上伊那郡・片桐敏美 (40歳) |
〈花崗岩質砂壌土~壌土〉バラ・ガラス温室栽培など | 課題:腐植が少ない山土の改良。塩類集積と排水不良の対策 栽培,生育:折り曲げ方式による夏季剪定。芽かき重視 施肥:生産組合でつくる有機配合肥料。年8回施肥 有機物:プレナーチップ+羊毛くずの堆肥。家畜糞使用せず その他:暗渠排水,客土,作土の入れかえ | 奈良県生駒郡・中筋弘 (40歳) |
〈火山灰を含む砂壌土〉 バラ・温室栽培 火山灰を含む砂壌土 | 課題:処女地のような若々しい土を維持する 栽培:1,600坪の温室栽培,省力化に努める 施肥:ポーラスカップ利用の土壌溶液診断で有機質肥料の適正施肥・灌水 有機物:家畜ふん多用から植物性堆肥へ切替え その他:温湯による土壌消毒 | 神奈川県秦野市・石井通生 (46歳) |
〈自家配合液肥〉 バラ・ロックウール栽培 | 課題:高pHの悪い水質のもとでの良品生産 栽培,生育:タバコの太さのしなやかな茎で一級品 施肥:液肥の自家配合,pHとECの巧みな管理 その他:炭酸ガス施用で芽ぶきをよくする | 神奈川県藤沢市・長田純一 (41歳) |
〈砂質~砂壌質〉 カーネーション・プランター栽培(施肥かん水システム) | 課題:連作障害克服のためのプランター施肥かん水システムの導入 栽培,生育:定植後の発根・活着がスムーズ,一番花の採花時期の前進 施肥:リアルタイム土壌診断,微量要素を含む培養液 有機物:排水性良好なピートモス,バーク堆肥 その他:シルバーマルチによる反射光利用 | 愛知県幡豆郡一色町・渡辺朗昭 (49歳) |
〈調整ピート+堆積土〉 シクラメン・底面給水方式 | 課題:調整ピート活用,気相率を高め安定生産 栽培,生育:無理に開花にもっていかないすなおな生育 施肥:マグアンプ利用,夏場は液肥の上部かん水 有機物:播種用土はピート単用,その他は堆積土を混合 | 長野県飯田市・木下剛志 (41歳) |
〈赤土+ピートモス+ココヤシ繊維+腐葉土〉 シクラメンの低コスト安定生育の施肥と土つくり | ○課題:省力低コストで安定生育できる鉢土つくり ○栽培・生育:前半は根優先でゆっくり待ち,後半は葉数の爆発的増加へ ○施肥:地力中心の肥効から緩効溶出肥料,液肥による安定肥効へ ○有機物:杉皮バーク,腐葉土を減らし,ココヤシ繊維を増やす ○その他:鉢土への農薬混用で,初期の病害虫発生を防ぐ | 福島県東白川郡矢祭町・金澤美浩(63歳) |
〈褐色火山灰土・粘質沖積土〉 塩基バランス重視の設計で健全なホウレンソウ,トルコギキョウ | ○分析データを蓄積し土壌の変化に合わせた施肥設計 ○塩基飽和度より塩基バランス,ケイ酸カリの活用 ○減肥と施肥基準の改善 ○土着菌の活性化と薬剤による土壌消毒の禁止 | 茨城県筑西市・JA北つくば |
〈粘土質の沖積土壌〉 冬作スナップエンドウ,春作スイートコーンほか,少量・多品目輪作 | ○課題:河川氾濫時の複雑な土質の上での持続的安定生産 ○栽培:不耕起・半不耕起のパターン組合わせによる少量・多品目栽培 ○施肥:その作ですべて吸収できるだけの施肥設計 ○有機物:スイートコーン残渣のすき込みによる土中堆肥化 ○その他:徹底的にむだを省いた低コスト・高品質生産 | 三重県松阪市・青木恒男(63歳) |
〈粗粒質火山灰壌土~埴壌土〉 夏秋キュウリ | 課題:黒ボク土で連作可能な土つくり。下層土の改良 栽培,生育:反収16t,高品質。2年ごしの床土で良苗育成 施肥:天候で上層と下層の肥料濃度を変える。たくみな追肥 有機物:籾がら,おがくず牛糞堆肥の多用 その他:早くからの圃場準備,プラウ耕2回,耕うん6回 | 岩手県北上市・斎藤金男 (48歳) |
〈火山灰黒ボク土〉 トマト・16tどり露地栽培 | 課題:波のない生育で多収の限界に挑む。多肥化土壌の改善 栽培,生育:反収16t。節間,茎の太さが最後までほぼ一定 施肥:深さ20cmに3層に分けた施肥。単肥活用 有機物:古畳+米ぬか+尿素に過石添加の堆肥。3t施用 その他:幅の広い溝施肥。窒素20kgで超多収 | 東京都杉並区・田中正直 (57歳) |
〈腐植質黒ボク土〉 無農薬有機栽培 | 課題:産直に対応した多品目有機栽培 栽培:標高差を生かした旬のおいしい野菜つくり 施肥:無化学肥料,堆肥の力で野菜を育てる 有機物:低窒素バーク堆肥,野菜の種類で施用量を変える その他:土地柄に合った作付けで無防除,肥沃化 | 群馬県群馬郡・佐藤勝美 (38歳) |
〈洪積地・関東ローム層〉 堆肥,緑肥,ボカシ肥の併用で露地野菜の無農薬栽培 | ○課題:低コスト,堆(厩)肥以外での土つくり ○栽培・生育:初期生育を抑えた「への字型」の生育管理 ○施肥:粗大有機物+ボカシ肥 ○有機物:牛糞,緑肥作物,前作の残渣など ○その他:サブソイラ耕による耕盤・心土破砕 | 埼玉県和光市・清水誠市(55歳) |
トウモロコシ輪作,暗渠・明渠,合理的な施肥でブロッコリーを安定生産 | | 埼玉県深谷市・鈴木時男 |
〈黒ボク火山灰土壌に赤土客土圃場〉冬春ダイコン主体+春キャベツ・夏メロン | ○課題:低農薬でもすぐれた外観と低硝酸の秀品つくり ○栽培:「三浦味菜研究会」の「こだわり栽培」 ○施肥:土壌診断に基づいたむだのない施肥設計 ○有機物:緑肥と樹木チップによる完熟堆肥 ○その他:夏作を休ませるローテーションの定着 | 神奈川県三浦市 三上幸一(47歳) |
〈強酸性火山灰土〉 レタス,ナガイモ,ゴボウなど | 課題:強酸性火山灰土でなんでもつくれる畑づくりをめざす 栽培,生育:レタス過湿を防ぐ育苗。根菜肌,そろい抜群 施肥:高成分の高度化成を少なめに使う。他に熔リン+過石 有機物:おがくず鶏糞と籾がらの混合堆肥 その他:ナガイモ,ゴボウ,レタスの輪作で下層まで改良 | 岩手県滝沢村・宮林正美 (54歳) |
〈火山灰黒ボク土〉 牧草輪作,緑肥裏作でハクサイ・レタス安定高収量 | ○課題:土壌物理性の改善に重点をおいた圃場づくり・作業体系 ○栽培・生育:天候に左右されず,安定して高収量 ○施肥:基肥一発,追肥なし,ムラのない施肥作業 ○有機物:牛糞堆肥(木挽き,籾がら,そばがらなど混入) ○その他:密度が高い暗渠,根こぶ病株の除去 | 長野県南佐久郡・林拓二(70歳) |
〈沖積,褐色低地土〉 タマネギ,ニンジン,イチゴなど | 課題:粘質,排水不良土での野菜栽培の安定化 栽培,生育:冷害年,干ばつ年でも安定多収 施肥:リン酸減肥,緩効性肥料と単肥の混合施肥 有機物:バーク堆肥の完熟化とエンバク緑肥活用 その他:火山灰の客土,タマネギの連作回避 | 北海道北見市・橋本純一 (52歳) |
〈沖積・褐色低地土〉 メロン+タマネギ+畑作 | 課題:メロンの連作障害克服,排水性の改善 栽培,生育:小ぶりな苗づくり,肉質重視の管理 施肥:有機質主体,土壌診断にもとづく適正施肥 有機物:牛ふん・バーク堆肥,緑肥エンバクの活用 その他:客土,暗渠排水,心土破砕 | 北海道訓子府町・福田節幸 (45歳) |
〈褐色火山性土〉 ナガイモなど野菜+畑作物 | 課題:4年輪作,ナガイモ畑の固定で肥沃度増進 栽培,生育:ナガイモの反収3t,上物率72%以上 施肥:土壌診断の活用,炭カル施用の中止とカリの減肥 有機物:2年以上熟成した豚ぷん堆肥を利用 その他:サブソイラーによる心土破砕 | 北海道帯広市・吉田義弘 (46歳) |
〈湿質火山灰土壌〉 緑肥輪作で品質重視のダイコン栽培 | ○課題:排水不良(湿害)・土壌病害対策 ○栽培・生育:土壌無消毒,夏ダイコンでも密植して良品多収 ○施肥:前作や地力を考慮しつつ,基肥窒素を少なめに ○有機物:緑肥(ヘイオーツなど)すき込みによる土壌団粒化 ○その他:サブソイラによる硬盤破砕,明渠による排水性改善 | 北海道河西郡更別村・野矢敏章(69歳) |
〈洪積層黒ボク土〉 耕しすぎの見直しによるダイコン栽培 | ○課題:栽培がむずかしい春まきダイコンで良品多収をねらう ○栽培,生育:1穴3粒まき,じっくり生育,収穫適期長い ○施肥:少窒素の山型施肥。追肥はおそめに。液肥の葉面散布 ○有機物:鶏糞の表層施用による土ごと発酵,エンバクなどの緑肥 ○その他:浅く入れることを意識したプラソイラ | 千葉県八街市・小見川修一(68歳) |
〈重粘質赤褐色火山灰土〉 加工ダイコン(ムギ後作) | 課題:連作にともなう収穫期の変動,ス入り,障害を克服 栽培,生育:播種後4日で発芽がそろう。後半葉のびせず 施肥:作期による窒素量の変更。ゼロから10kgまでの少肥 有機物:2年に1回コムギをつくり,麦稈をすき込む その他:うねの中が大きな土塊になるよう耕うん | 青森県西津軽郡・へなし興農組合 |
〈海成砂土〉 サツマイモ-ダイコン | 課題:砂地の連作障害(肌あれ,微量要素欠乏など)を防ぐ 栽培,生育:つるぼけなし。いも肥大盛期に葉が上向きに 施肥:できるだけ少肥で草勢確保。肥効を予測して追肥 有機物:有機質肥料100kg,堆肥なし。肥沃化を防ぐ その他:3年に1回砂を客土。うね内土壌消毒 | 徳島県鳴戸市・諏訪進 (62歳) |
〈関東ローム層,火山灰土〉 スイカ,ゴボウ,ショウガ,ニンジンなど | 課題:輪作年限を守って障害を防ぐ。地力維持作物の保持 栽培,生育:ショウガ,ニンジン,ゴボウなど高品質多収 施肥:普通化成中心。有機質肥料を堆肥に混用して施す 有機物:籾がら堆肥,おがくず堆肥,ラッカセイがら堆肥 その他:年内に堆肥施用,鋤耕 | 千葉県印旛郡・久保吉男 (36歳) |
〈沖積層黒ボク土〉 サトイモ(山内いものこ) | 課題:土壌の乾湿条件にあわせた栽培。干ばつ害の克服 栽培,生育:草丈低めで茎が太く,子いもの芽数が多い 施肥:早出しは少肥。元肥は緩効性,追肥は硝安系で雨前に 有機物:刈り草の厩肥,生牛糞の1年ごし堆肥 その他:畑のちがいで作付体系を変える。一部田畑輪換実施 | 秋田県平鹿郡・高橋清 (31歳) |
〈砂土~埴壌土〉 ジャガイモ(男しゃくいも) | 課題:輪作で連作障害に対応,デンプン価向上 栽培:収量3.3t,品質に課題 施肥:全量元肥,やや多すぎか 有機物:鶏ふん,牛ふん,豚ぷんのバーク堆肥 その他:客土の実施 | 北海道虻田郡・日野浦稔一 (25歳) |
〈火山性黒ボク土,砂壌土〉 ジャガイモなど畑作と露地野菜 | ○課題:リアルタイム樹液診断による科学的土壌管理と施肥技術の確立 ○栽培,生育:窒素を完全に液化させ,ビタミン,ミネラルの豊富な生産物 ○施肥:少量元肥,ピーシーキットによるリアルタイム診断で葉面散布,液肥中心に追肥 ○その他:生産物の分析データを流通に活用 | 北海道東藻琴村 ASK(アスク) |
〈乾性火山灰土〉 コムギなど800kgどり栽培 | 課題:低コストで800kgどりを実現 栽培,生育:開花期まで早く,その後はゆっくりもっていく 施肥:単肥利用で低コスト,窒素は分施で効かす 有機物:堆肥300t,緑肥用エンバクで土つくり その他:コイルパッカーで発芽率をよくする | 北海道網走郡・大西一郎 (39歳) |
〈関東ローム層・火山灰壌土〉 ダイズ,ムギ,ジャガイモ,野菜ほか | ○課題:緑肥を組み合わせた輪作体系 ○栽培,生育:根がしっかり張り長雨や干ばつなどに負けない生育 ○施肥:自家製ボカシ肥による減化学肥料 ○有機物:緑肥と前作残渣の徹底活用 ○その他:プラウ・ハロー・ロータリを駆使した耕うん整地 | 茨城県牛久市 高松求(75歳) |
〈摩周系火山灰土〉 草地,飼料作物(トウモロコシ) | 課題:草地の経年化に伴う生育不良,ミネラル不足の克服 栽培,生育:乳量6,000kg以上。マメ科牧草の割合が高い 施肥:B・B肥料。マメ科の割合によって三要素配分を調節 有機物:バークを購入し糞尿と混合堆積。反当3~4t施用 その他:牧草8年と飼料作の輪作。更新時深耕,土改剤施用 | 北海道野付郡別海町・木村信一郎 (35歳) |
〈黒色火山灰土〉 飼料作物(イタリアンライグラスなど) | 課題:1日1頭70kgの粗飼料確保と栄養バランスの統一 栽培,生育:赤クローバ,メヒシバ利用で6種類の輪作 施肥・有機物:スラリー重点,スラリー・化学肥料併用,化学肥料重点と圃場の特徴に合わせて施用,カリ肥料の抑制 その他:圃場ごとの土壌診断と施肥設計 | 宮崎県・黒木正充 (36歳) |
〈細粒火山性土〉 草地,飼料用トウモロコシ | 課題:トウモロコシ,草地の収量・品質低下。牛の健康障害 栽培,生育:乾物重が高い牧草,天候不順にも強い 施肥:窒素よりもリン酸,カリを高めた施肥。単肥利用 有機物:自家牛糞を半年間積む。4tを秋施用 その他:リン酸質資材による土壌改良。プラウによる深耕 | 北海道河東郡士幌町・鈴木俊道 (46歳) |
〈壌土〉 タバコ | 課題:グレー葉,中期の乾燥害,後期の降雨害の克服 栽培,生育:反収320kg,品質良。初期大柄,後期しまる 施肥:N,P,Kの割合を1:2:3とする。単肥の応用 有機物:稲わら,麦稈,モロコシ稈などの堆肥。草木灰 その他:寒深耕3回,肥料は堆肥に混ぜて施用。排水溝 | 熊本県菊池郡・野口忠次 (49歳) |
〈沖積層埴壌土〉 キク | 課題:下層土の酸性改良。耕土を深くして多肥の害を防ぐ 栽培,生育:定植4~5日で活着。均等な節間の伸び 施肥:窒素分63kg。半量は鶏糞,残り半分は速効性肥料で 有機物:稲わらの1年ごし完熟堆肥。稲わらのマルチ その他:年内にプラウ耕で敷わらすき込み。畑の均平に注意 | 長野県南佐久郡・由井助司 (64歳) |
〈淡色黒ボク土〉 ツツジ類など植木生産 | 課題:窒素過多による幹割れ,軟弱徒長,早期落葉等の克服 栽培,生育:締まりのある樹姿。植付け時の苗選別の徹底 施肥:化学肥料使わず,発酵鶏糞のうね間バラまき施用 有機物:落葉樹の落ち葉堆肥 その他:定期的に客土。ツツジの前か後作に落葉樹を入れる | 埼玉県大里郡・野沢百太郎 (59歳) |
〈河成沖積土グライ土壌粘土型〉リンゴ・有機・減農薬栽培 | ○課題:掲げる目標は「糖度20度のふじ6tどり」 ○栽培:ふじ,ジョナおよび契約栽培品種のわい化栽培 ○施肥:石灰・苦土・カリ比を適正化しリン酸を効かせる ○有機物:高品質堆肥と肥料を盛り土状施用 ○その他:武田式土壌診断・施肥設計,葉の養分濃度診断で葉面散布 | 青森県北津軽郡鶴田町 須郷陸奥雄(63歳) |
〈洪積層黒ボク土〉 リンゴ(有袋栽培) | 課題:徒長しやすい条件下で着色不良と隔年結果を克服 栽培,生育:有袋反収3t,成り枝を多く配置,間引き剪定 施肥:硫安20~30kgの春先施用。他に緑泥岩細粉の肥料 有機物:豚糞稲わら堆肥,剪定枝砕断堆肥(鶏糞入り) その他:全面草生で草刈り年6回 | 青森県弘前市・斎藤清味 (61歳) |
〈扇状地・火山灰土〉 リンゴ(わい化栽培) | 課題:化学肥料を必要としない土つくりをめざす 栽培,生育:収量4t以上。新梢停止早く後半の玉伸び良 施肥:化学肥料全廃 有機物:籾がら堆肥の樹冠下マルチ。草生は牧草混播 その他:51年バックホーでのタコつぼ掘り,土つくりを実施 | 長野県南安曇郡・原今朝生 (50歳) |
〈石礫混じりの秩父古生層〉 温州ミカン | ○課題:葉面積指数の向上と表層部に細根を高密度に発生させる土壌管理 ○栽培・生育:反収6.4t。間引き中心で強い切返し剪定はしない ○施肥:窒素,リン酸,カリほぼ同量で有機主体。コフナエイドの葉面散布 ○有機物:草炭腐植資材,畜糞入りおがくず堆肥 ○その他:コフナエイドの葉面散布で生育調節 | 静岡県引佐郡三ヶ日町 浅野〓(せん)一(55歳) |
自然に生える草とタネ・苗を植える草による草生で省力高品質ミカンづくり | 和歌山県海南市・岩本治 |
〈第三紀層砂壌土~埴壌土〉 カンキツ(温州ミカン早出し) | 課題:第三紀層,急傾斜での干ばつ防止。多肥からの脱却 栽培,生育:大玉中心で一般の2倍の収量。早期摘果の実施 施肥:窒素8kg→15kg→20kgの3年ローテーション 有機物:バーク堆肥。開墾後の日が浅い園を中心に多用 その他:てこ鍬による深耕。バックホー,ブルによる深耕 | 和歌山県西牟婁郡・谷本幸太郎 (45歳) |
〈黒色火山灰土〉 ブドウ(ピオーネ,巨峰,甲州など) | 課題:花ぶるい防止,窒素肥効の安定化,カリ過剰対策 栽培,生育:巨峰で反収1,800kg,熟期が半月早く高品質 施肥:鶏糞と単肥を活用,施肥時期を3つに分け生育調整 有機物:深耕,タコつぼ掘りしてバーク堆肥,剪定枝施用 その他:10年でもとにもどるサイクルで深耕と有機物施用 | 山梨県東山梨郡勝沼町・石原和重 (58歳) |
〈洪積土,強粘質土〉 ブドウ(巨峰・ハウス栽培) | 課題:微生物活性を重視した有機栽培体系 栽培,生育:弱せん定,花ぶるいなく高品質 施肥:モグラ堆肥(長期熟成ボカシ),バットグアノなど 有機物:落葉期の有機質施用で微生物活性を高める その他:かわらを利用した半永久暗きょで排水性をよくする | 長野県上田市・飯塚芳幸 (-歳) |
〈粘質洪積土〉 ブドウ(巨峰,ピオーネ,オリンピア) | 課題:少農薬,除草剤やホルモン剤を使わず高品質を実現 栽培,生育:栄養周期栽培と草生栽培を基本 施肥:牛完熟堆肥の元肥,樹勢をみて追肥と葉面散布 有機物:刈り取った草は園に敷きつめて利用 その他:細根を守るため耕起せず,除草剤も使用しない | 山梨県中巨摩郡若草町・内田進彦 (40歳) |
ナシ幸水の施設栽培で有利出荷,生育期主体の施肥と収穫後の灌水で樹勢を維持 | ― | 佐賀県伊万里市・JA伊万里梨部会 |
〈沖積層埴壌土〉 ナシ・水田転換栽培 | 課題:転換畑の排水対策。中層の酸性改良。土の乾湿なくす 栽培,生育:多収,糖度12度以上。主枝は2本,芽かき重視 施肥:秋根の活動を重視し礼肥を細かく分肥。有機質肥料 有機物:豚糞堆肥から窒素過多になりにくい牛糞堆肥へ その他:暗渠実施。雑草草生,10~11月に深耕 | 埼玉県北埼玉郡・梓沢英夫 (49歳) |
〈新第三紀埴土〉 モモ | 課題:傾斜地での問題(着果過多による樹の衰弱等)を克服 栽培,生育:収量・品質年々向上。初期旺盛,後半落ちつく 施肥:分施重視で硝安系活用。窒素よりリン酸,カリを多く 有機物:バーク堆肥。ライムギ栽培,刈取り施用 その他:バックホーによる深耕,鶏糞施用。排水路の設置 | 福島県伊達郡・清野均 (48歳) |
〈淡色黒ボク,壌土〉 ウメ・清耕栽培 | 課題:年による豊凶差をなくす。樹冠の過密化を防ぐ 栽培,生育:反収2t(地域の2倍以上)。縮・間伐の励行 施肥:果実肥大期に肥効のピークをもっていく 有機物:おがくず牛糞堆肥と鶏糞の交互施用 その他:モグラが多いウメ園。夏季剪定の実施 | 群馬県北群馬郡・一倉梅師 (68歳) |
〈黒褐色壌土~埴壌土〉 オウトウ(佐藤錦,ナポレオン他) | 課題:耕土浅く干ばつ,要素欠乏でやすい。収穫期の降雨害 栽培,生育:開花早くそろう。大玉で着色良好。大枝少ない 施肥:窒素分8kgに抑える。有機質主体。骨粉施用 有機物:わら+牛糞+油かすの堆肥を1~2t秋施用 その他:草生。雨よけテント利用。マメコバチ活用 | 山形県東根市・阿部巌 (42歳) |
〈黒ボク土,火山灰質埴壌土〉チャ | 課題:施肥時期,施肥法の改善による減肥 栽培,生育:連年の生育観察データに基づく施肥と栽培管理 施肥:不用な夏肥を省略,1回当たりの窒素施用量を8kg以下にして年間窒素量58kgを実現 有機物:菜種かすとイカの内臓の発酵肥料などの有機質主体の施肥。2~3年に1回の鶏ふんと落葉堆肥,腐植資材の投入 | 三重県多気郡大台町 山門義弘さん(-歳) |
〈黒ボク土〉 チャ | ○課題:コスト削減でも品質を落とさないチャ栽培 ○栽培:越冬葉層を8cm確保するための管理 ○施肥:年間窒素成分量47kg。単肥利用でコスト削減 ○有機物:カヤのマルチング ○その他:品種をツールとして経営に生かす | 静岡県富士市 秋山勝英 |
〈第三紀層埴壌土〉 チャ | 課題:独自のてこぐわ深耕法で根を深く張らせ良質多収 栽培,生育:芽が出開くのがおそく良質。樹に若さがある 施肥:有機質の配合肥料。窒素70~80kg 有機物:幼木期におがくず,チップかすを大量施用 | 静岡県榛原郡・山本周司 (55歳) |
〈火山灰土壌,淡色黒ボク土〉 チャ | ○課題:厳しい経営環境を生き抜く品質維持,施肥と土つくり ○栽培:購入苗を水切りポットで大苗に,土つきで定植 ○施肥:アミノ酸を効かせるボカシ肥料 ○有機物:鶏糞土ごと発酵,籾がら堆肥マルチ ○その他:荒廃茶園を手間・経費をかけずに回復 | 鹿児島県志布志市 坂元修一郎(54歳) |
〈火山灰土〉チャ | 課題:チャ樹の活力を活かした減肥・減農薬栽培 栽培,生育:チャ樹の生育リズムに合わせた施肥で,減肥でも品質,収量が安定 施肥:4~5kg以内の窒素の分施で肥料不足を起こさせない 有機物:EM菌利用の豚ぷん堆肥を冬期間に500~700kg その他:葉の味と葉色で樹体養分を判断 | 鹿児島県薩摩郡薩摩町 熊田岐利さん(46歳) |