防除のアイデア

防除の工夫

あっちの話こっちの話

 農文協の普及職員がむらで聞いたいろいろな工夫は、月刊『現代農業』の常設コーナー「あっちの話・こっちの話」に掲載されて好評ですが、ここでは、防除に関して反響の多かった記事を2~3話ピックアップしてお届けします。

■田んぼの藻を消すクリの樹パワー

 国見町に古くから伝わる,クリの樹の枝で田んぼの藻を消す方法を紹介します。教えてくれたのは佐藤富夫さん。
 田植え後すぐの5~6月,田んぼが藻に覆われてしまうと,まだ小さいイネを倒してしまいそうで心配ですよね。そこで佐藤さん,クリの枝を切って来て葉を落とし,藻の密度の濃い場所に突き刺します。枝の太さや長さはどんなものでもよく,1坪に5~6本で十分。クリの枝を刺してから1週間くらいで次第に藻が少なくなり,やがて消えてしまうのだそうです。
 佐藤さん曰く「クリの渋が藻に効くんじゃないかな」。カキの樹などでは効果がないそうです。田んぼの藻でお困りのみなさん,ぜひお試しを。
福島県国見町より・川崎大地(『現代農業』2004年5月号)

■やっぱりニンニクは効く! ウンカもカメムシも撃退

 菊鹿〈きくか〉町に住む吉里〈よしさと〉昇次さんのポリシーは,なるべく農薬を使わないこと。そんな吉里さんに,8年間作り続けている手作り農薬を教わりました。
 材料は,35度のホワイトリカー1升とニンニク3~4玉。ニンニクはひとかけずつにバラして皮をむき,ひとかけをさらに細かく三つくらいに切ります。切ったニンニクをホワイトリカーに漬け込んで,寝かせること半年。長く置くほど効果はあがりますが,半年置けば使えるようになるそうです。
 使う時は,このニンニク焼酎液2合に,米酢1合と水500リットルを混ぜてから散布します。
 ニンニクの強いにおいを嫌ってか,この液をまきはじめてからというもの,吉里さんの田んぼにはウンカもカメムシも寄って来なくなったとのこと。
熊本県菊鹿町より・守屋篤(『現代農業』2003年9月号)