防除のアイデア

防除の工夫

あっちの話こっちの話

 農文協の普及職員がむらで聞いたいろいろな工夫は、月刊『現代農業』の常設コーナー「あっちの話・こっちの話」に掲載されて好評ですが、ここでは、防除に関して反響の多かった記事を2~3話ピックアップしてお届けします。

■ペパーミントで果樹のカメムシ害を防ぐ

 果樹の大敵、カメムシ。防除には費用がかかるし、できることなら散布回数を減らしたい。JA南信州果樹振興同志会会長の佐々木敦さんは、モモ園の脇にペパーミントを植え、カメムシ防除に驚くような効果を上げています。
 じつは以前、園地の中で土手に面したところだけカメムシ害がひどく、佐々木さんも悩んでいました。7年前、試しにその土手にペパーミントを植えてみたところ、その後、地域全体でカメムシが大発生した年でも、その近くのモモだけは被害を受けなかったのです。同じ園地の中でも土手に面していないところでは被害が出ていたので、確かにペパーミントの忌避効果なのだとびっくり!
 昨年同志会で発表したのがきっかけで、今年は果樹仲間一〇〇人近くが園地の周りにペパーミントを植えることになったそう。ペパーミントは匂いも爽やか。アイディア一つで果樹園での作業も楽しくなりそうですね。
長野県より・蜂屋基樹(『現代農業』2003年8月号)

■ミカンの皮で菜園のアブラムシを撃退

 阿智〈あち〉村の園原〈そのはら〉すずえさんはあるものを使って、菜園のネギにつくアブラムシを撃退しています。そのあるものとは、ずばり、ミカンの皮。
 使い方はいたって簡単。まずミカンの皮をパリパリになるまで、3日ほど干します。それをすりつぶして粉にし、ネギの根元にまくだけ。するとあら不思議。あんなに手を焼いていたアブラムシが1匹も出なくなりました。アブラムシの嫌いな匂いだから寄り付かないのだそうです。
「趣味でやってる農業だから農薬は使いたくないの」とすずえさん。本来なら捨てるものをこんなふうに有効活用してしまうとは、うーん、すごいですね!
長野県阿智村・川崎大地(『現代農業』2003年8月号)