日本農書全集
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第62巻
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農業家訓記(尾張)
のうぎょうかくんき
一月
○田畑の切添をする
○麦の掛け肥をする
○麦にきゅう肥を置く
○麦の重しになる土肥などを取り除く
○夏作物の苗の種やごぼうの種をまく
○種池の水を替える
○人手のいる仕事は苗代づくりまでにすませる
○土肥を腐熟させる
○天気の判断の仕方を身につける
○屎芝を運んでためておく
○田に赤土がはいらないようにする
○馬屋で土を腐熟させる
○麦の草取りをする
二月
○浸種の準備を始める
○苗代をつくる
○苗代の水を落としもみを干す
○標準的なもみの播種量
○あぜ塗り・水田の耕起を始める
○苗代に肥を入れる前の禁忌
○夏大豆の口肥をつくる
○水田に灰を埋める
○夏大根の種をまく
○山の芋を植える
○たばこ・なす・とうがらしの種をまく
○もろこしの種をまく
○あいの種をまく
○ひえの種をまく
○葉にんじんの種をまく
○ねぎの種をまく
○夕顔の種をまく
○とうがんの種をまく
○
○鳥よけのしめを外す
○麦の中耕
○麦の中耕にかかる労力
○さら田を打つのにかかる労力
○日雇いを入れる見積り
○種もみをまくべき時期の判断
○新田畑の地力を高める方法
三月
○土手・あぜ・圦などを補修する
○田に入れる土肥を堀から上げる
○水田の荒起こしのやり方
○葉大豆をまく
○水田を耕起するのにかかる労力
○夏作物を植える時期
○たばこ・大豆の連作障害
○夏大豆の植え方
○夏作物を植える前に、はこべ・かなもぐらを取る
○種を取るための大根の芯を止める
四月
○苗代の上肥
○麦の種を採種する
○田に入れる土肥を運ぶ
○たばこ・なすを移植する
○ねぎを植える
○もろこし・ひえ・あいを移植する
○とうがん・ほうきぐさを植える
○にんじんをまく
○きゅう肥を田へ運び出す
○畑の二番打ちをする
○麦の刈り跡を耕起する
○来年の麦の根肥の量を決める
○麦刈りにかかる労力
○麦刈り跡の耕起にかかる労力
○麦刈りの跡の二番起こしにかかる労力
○麦の脱穀にかかる労力
○麦わらすぐりにかかる労力
○大麦の標準的な収量
○小麦の標準的な収量
○大麦の標準的な収量
○小麦の標準的な収量
○畑の草取りにかかる労力
○夏作物への掛け肥のやり方
○夏作物にほしかを施す
○代かきのやり方
○代かきにかかる労力
○二番代かきにかかる労力
○田植えの日雇いを頼んでおくべき時期
○田の雑草を絶やす
○麦の収穫にかかる日数
○麦作の留意点
○小豆の種をまく
○しょうがを植える
○ごぼうに肥料を施す
○植え物の覆いの仕方
○種を取るごぼうの芯を止める
五月
○田植えに取りかかる
○苗の植え方
○ほしかを灰と混ぜ合わせる
○本田の準備
○代かきを終える時期
○田植えに必要な労力
○馬鍬で田をかく
○いけ灰を入れる
○さら田へ入れるほしか
○ほしかを入れる標準量
○田植えを終える時期
○かい田打ちをする
○代かき
○三十日田を植える
○稲の葉虫を取る
○田植えのあとの水加減
○夏作物の中耕
○たばこの虫を取る
○たばこの根肥
○晩生大豆を植える
○綿の掛け肥
○あいの葉を刈る
○田の一番草にかかる労力
○田の二番草にかかる労力
○田の三番草にかかる労力
○田の草取りの手間繰り
○大風が吹いた翌年の心得
○大風が二、三年も吹かなかった
○田植え時の水加減
○きゅう肥をできるだけ多くためる
六月
○綿の芯を止める
○たばこの芯を止める
○ごまの芯を止める
○粟を収穫する
○きびを収穫する
○ひえを収穫する
○もろこしを収穫する
○葉大豆を抜く
○ごぼうの中耕
○大根に施す土肥を堀から上げる
○たばこの葉を収穫する
○粟・きび・ひえの標準的な収量
○夏大豆の葉を刈る時期
○緑豆・もろこしの標準的な収量
○なすの芯を止める
○夏大豆の跡を除草する
○苗代田をもう一度除草しておく
○田の除草の仕方による増収効果
七月
○翌年は夏作物をどこに植えるか決めておく
○たばこの葉を収穫したあとの手当て
○そばをまく時期
○大根を植える時期
○なんであれ種は常に確保しておく
○そばをまくのにかかる労力
○大根を植えるのにかかる労力
○畑を改良する
八月
○稲の刈り時
○荒し畑を耕起する時節
○荒し畑を打返す
○早稲田の周囲を刈って水を落とす
○耕起した麦田にたまった水を落とす
○麦田の耕起にかかる労力
○米俵を編んでおく
○小麦をまく
○麦の種を更新する
○麦の標準的な播種量
○麦まきにかかる労力
○畑の石を拾い出す
○麦の根肥にするほしかを砕く
○菜をまく
○ちしゃ苗・そらまめ・からし・わけぎ・にんにくを植える
○稲刈りにかかる労力
○稲の乾燥にかかる労力
○水田の刈り跡にはすぐに水を張る
○来年の田肥の増減を書いておく
○種もみを保存する
○むしろをたくさん準備しておく
○大風で稲が倒伏して発穂芽したときの手当て
○畑のこまかな砂利を取り除く
○条件のわるい畑を改良する
○もみ種についての心得
○麦田の麦まきにかかる労力
○葉につく虫を取る
九月
○麦をまく時期
○土地に合った稲をつくる
○丸干しにしておいたわらを乾燥させる
○早稲の生わらを積んではならない
○稲扱きにかかる労力
○雨天のときは干稲は束ねておく
○雨降りには稲刈りをしない
○稲刈りにかかる労力
○麦をまいた直後に雨が降った場合の手当て
○畑の土が大雨で流れ出さないようにしておく
○麦の根肥の多少による損得
○麦田に麦をまくさいの心得
○麦を点播する
十月
○稲扱きを終える
○土肥を堀から上げる
○麦の中耕を数回する
○麦の中耕にかかる労力
○大根の中耕をする
○麦に鳥よけのしめを張る
○土肥を麦に置き始める
○やせた畑の麦の根肥
○麦苗をつくっておく
十一月
○麦の手入れに専念する
○麦の中をこまざらいでかく
○寒中に田の水を落とす
○大根を収穫する
○種を取るための大根・菜を植える
○ごぼうを掘る
十二月
○麦の手入れに専念する
○きゅう肥を麦に施す
○麦の上肥の加減
○麦の中耕の心得
○ちしゃを植える
○麦にすすかやを施す
○踏み土のつくり方
百姓上中下のこと
雑論
解題
一、底本について
二、成立地・著者および成立年
三、本書の舞台・知多半島の地域的特色
四、『農業家訓記』の特色と位置づけ