口絵

土屋家日記(備後)<つちやけにっき>

備後国深津郡市村(現福山市蔵王町)などに居住し,周辺の庄屋役を務めることの多かった土屋家の文化5(1808)年の日記。年間の農作業が綿密に記されていて,江戸後期の瀬戸内の農業技術の水準を分析するうえで貴重。

西谷砂糖植込地雑用並ニ出人足控(讃岐)<にしのたにさとううえこみちざつようならびにでにんそくひかえ>

讚岐国豊田郡河内村での,同郡内の大地主大喜多家が中心となって共同で行なった甘蔗栽培と,初製糖(白下糖・粗糖)加工の出人足(出役)を中心に記した農業日記。近世期には類例のない珍しい日記。

耕作日記(大隈)<こうさくにっき>

大隅国肝属郡高山郷の上級郷士・守屋舎人が記した農作業日記。1筆ごとの作付面積,収穫量などが具体的に記されており,近世後期の農業の実情を知るうえで貴重。