口絵

養蚕秘録<ようさんひろく>

近世におけるわが国蚕書の白眉.養蚕での『農業全書』の役割を果たした書.守国は若年から養蚕に親しみ,信州,上州,岩代などの養蚕先進地を歩き集大成したのが本書である.仏語訳もある名著.

蚕飼絹篩大成<こがいきぬぶるいたいせい>

縮緬産地長浜の蚕業家であり農事指導者であった著者は,糸商人として全国くまなく遍歴した。養蚕製糸の有利なことを知り,見聞と体験をもとにきめ細かい技術を説く。

蚕当計秘訣<さんとうけいひけつ>

岩代国梁川の蚕業家である著者は,シーボルトのもたらした寒暖計を改良し,蚕室の温度調節の目安になる温度計を製作して本書とともに頒布し,環境制御による農業への端緒を開いた。