口絵

近世農書・『耕作噺』を読む(総合解題)<きんせいのうしょこうさくばなしをよむ>

耕作噺(陸奥)<こうさくばなし>

津軽地方の耕作の具体的な方法を講に寄り合った古老たちが切々と語り合う地方色豊かな農書。風土,気候,農事,農具,田拵,苗代,植付,水利,糞養など23章よりなる。

奥民図彙(陸奥)<おうみんずい>

津軽の農民の農事,生活,農具などを具体的に絵解きした書。農民の服装から魚や鳥のとり方,祭りなど幅広く人情味あふれるタッチで描く。

老農置土産並びに添日記(羽後)<ろうのうおきみやげならびにそえにっき>

羽後地方での水稲栽培,水利,駆虫法から畑作のあり方まで,耕作体験から出た営農の秘訣と農民の生き方を心をこめて子孫に伝える書。

菜種作リ方取立ケ条書(羽後)<なたねつくりかたとりたてかじょうがき>

18世紀末に普及されはじめた菜種の栽培法,施肥法,搾油法を図解をおりまぜて説く。とくに油粕類やいわし類のすぐれた肥効を力説する。

除稲虫之法(羽後)<のぞくいなむしのほう>

自己の体験と老農の話からまとめた水稲害虫防除法。稲害虫を,穂虫,根虫,葉虫,菟虫に分け,生態観察をもとに無農薬栽培をすすめる。