浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の恵みに感謝する法要、報恩講を白川郷では親しみをこめて「ほんこさま」と呼びます。11月上旬から12月に行なわれるほんこさまは、冬の一大行事。親戚や近所の人を家に招き、お坊さんの読経のあと、お斎《とき》として心づくしの料理でもてなします。 料理の準備は、その年の春から始まり……
静岡市内では、昔はふき(山ぶき)が自生していて、八百屋でも売られ、春になるとふきの料理をよく食べました。ふきは、透明感のある緑色と、摘みたてのすがすがしい香り、ほろ苦さが残るように、淡めの味つけでさっと煮つけます。砂糖や醤油で伽羅《きゃら》色(濃い茶色)になるまで煮しめたきゃらぶきもなじみ深い、……
札幌まつりは明治のはじめから続く北海道神宮例祭のことで、毎年6月14日から16日に行なわれます。本格的な初夏の訪れを告げる行事でもあり、札幌市民最大の祭りとして親しまれてきました。 北海道神宮のお参り、山車《だし》の見物、中島公園の露店と楽しみが多い祭りですが、15日の例祭の日に家族で食べるごち……
煮しめは県全域でつくられる行事食で、大晦日の祝い膳をはじめ節句、冠婚葬祭などに欠かせません。用いる食材が地域の特徴を表しており、秋田との県境の山間部ではぜんまいの一本煮、凍《し》み大根、身欠きにしんなどを使うのに対して、三陸沿岸の大船渡では干し魚が入ります。うま味が強いのでだし汁を使わなくても風……
佐渡のどの家庭でも食べられている伝統料理の代表が佐渡煮しめです。コトコト煮こんで味がよくしみこみ、人が集まるお盆や祭りや冠婚葬祭に欠かせません。ご恩がつくように大根、昆布、にんじん、こんにゃくなど「ん」のつく野菜を煮て、だしをたっぷりと吸った車麩を入れることが特徴です。少量ではあまりつくらず、大……