福島県では、昔から凍み餅や凍み大根など冬の寒さを利用してさまざまな保存食がつくられてきました。凍み豆腐もその一つ。おもな生産地となっている福島市中央の立子山《たつごやま》には、冬場、奥羽山脈を越えて「吾妻《あづま》おろし」と呼ばれる強く冷たい風が吹きつけます。この寒風にさらしておくことで、中の水……
県内陸で田園地帯や丘陵、奥羽山脈にまで広がる加美《かみ》町の山間部で教わった雑煮です。この地方では、魚類を雑煮に使う習慣はなく、精進に近い雑煮が食べられてきましたが、近年では多くの家庭で鶏肉など動物性の具が使用されるようになっています。その中で、野菜類と油揚げ、凍み豆腐といった精進の雑煮が受け継……