水窪《みさくぼ》は浜松市の最北部、長野県との県境に位置する山間の集落で、静岡県では数少ない豪雪地帯です。自給自足の生活を送っている農家が多く、味噌もこんにゃくも自家製です。 生いもを使った手づくりこんにゃくは、昔は木灰《きばい》で灰汁《あく》をとり凝固剤にしましたが、最近は水酸化カルシウムや炭酸……
県東北部の神石高原町《じんせきこうげんちょう》でつくられてきた、そばがら(そばの茎)を焼いた灰の灰汁《あく》で固めるこんにゃくです。神石高原町では冠婚葬祭などの行事があると、もちをつき、豆腐、こんにゃくをつくりました。昔は豆腐もこんにゃくもごちそうで、近所の人が亡くなったときに組内の人がするのは……
豆腐とすりごまでつくった和え衣と、畑でとれた季節の野菜や手づくりのこんにゃくでつくる白和えは、群馬の家庭に伝え継がれてきた料理です。白い和え衣に色とりどりの野菜が映え、結婚式や年中行事、人寄せの際によくつくられ、口当たりがよいのでお年寄りがいる家庭では日常食としても好まれました。 甘味がある白和……
真っ白な衣でこんにゃくを和えたくるみ和えは、浜松市の水窪《みさくぼ》で、家族が集う正月や冠婚葬祭に欠かせない一品です。ここは山に囲まれた地域のため、血縁、地域の結束が強く、かつての「組合」と呼ばれる住民同士の助け合いの組織が残っている地区もあります。葬儀の際には地域の女性が集まり、くるみ和えなど……
凍みこんにゃくは大子町《だいごまち》の特産品です。こんにゃくを田んぼに並べ、10日ほど水かけ・天日干しして凍結・解凍を繰り返すことで多孔質(スポンジ状)になり、味の浸透がよく、独特の食感となります。これを葬儀の際、白和えや煮しめの材料として使っていました。 県の北部でこんにゃくの栽培が始まったの……
群馬県はこんにゃくいもの産地で、国内の90%以上の生産量を誇ります。下仁田町《しもにたまち》と並び県内トップクラスの収穫量がある渋川市では、昭和の初め頃から栽培がさかんとなり、家庭でも生いもこんにゃくがよくつくられました。ざらざらとした生いもこんにゃくは味のしみこみがよく、こんにゃくいもが収穫を……
近江八幡市で食べられている赤こんにゃくの煮物です。きれいな赤色は縁起がよいので正月料理に欠かせない一品で、昔は年末になるとこんにゃく玉を五つほど縄でくくったものが売られていたり、リヤカーで売りにくる人もいたそうです。祭りや法事などの「なんぞごと」でも赤こんにゃくを炊きました。 独特の赤い色は三二……