東部低地の加須《かぞ》市の夏の日常食です。梅酢で漬け、夏の新鮮な大根のおいしさを引き出したさっぱりした漬物で、昭和30年代から今でもつくられています。加須市は利根川の中流域に位置し、温暖な地域なので、冬でも野菜に困りません。漬物は保存食というより、旬の野菜の味を楽しむものが多いです。
現在も噴煙を上げる桜島で昔からつくられているのが、鹿児島で「島でこん」と呼ばれる桜島大根です。軽石などの火山礫が混ざった土壌ではイネや普通の野菜は育ちにくく、この大根だけがよく育ったそうです。 大きな姿からは想像しがたい繊細な味わいで、肉質は緻密で繊維質が少なく、煮物にすると箸ですぐ切れるほどや……
東光寺大根は、八王子市との境にある日野市東光寺地区に伝わる、真っ白で大変美しい大根です。練馬区で江戸時代からつくられてきた練馬大根の流れを受け継いだ大根で、首のところは細く、長いもので1mほどになります。昔から大根を干し、漬物用に加工されてきました。 大根の収穫は11月下旬から12月上旬。葉を落……
県北西部、濃尾《のうび》平野の中心にある稲沢市は、冬になると北西方向からの乾燥した冷たい季節風「伊吹おろし」が吹きます。昔からこの風を利用した割り干し、切り干し、花切りなどの干し大根づくりがさかんに行なわれてきました。 新鮮な大根は包丁を入れると割れやすいので、多少しなびたものを使います。晴天が……
宮崎平野を中心とした農村地域で食べられている、炒り大豆やするめなどを加えた、いわゆる切り干し大根のはりはり漬けです。 大根を細く切り、自然乾燥させた切り干し大根は、江戸時代から乾燥野菜の代表として国内で広く食されてきました。宮崎県ではせん切り大根と呼ばれ、1904(明治37)年に、当時の大根の産……
県北部で教わった料理です。秋、収穫した大根は、太めのものはたくあんに、細めのものは干し大根にしました。このあたりでは、干し大根を「ねじ干し大根」と呼びます。11月から12月にかけて、南側の屋根の軒下に竹竿をさげて、そこに干し柿や干し大根をつるしているのが、晩秋の農家の風景でした。 大根の干し方は……
