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記事IDS200311_027
作品種別食農教育
特集タイトル
上位サブタイトル素材研究●教材への切り口 ワタ
連載タイトル
記事タイトル白・茶・緑…… カラフルなワタのある暮らし
下位サブタイトル
年・月2003年11月号
開始ページ74
執筆者鈴木さとみさん 写真・岡本央
執筆者所属愛知県豊川市
取材対象
地域1
地域2愛知県
現地域
見出し●苦労した木ほど味わい深い色に●綿毛から糸を紡ぐ●インド人ってかしこいなー●ワタづくりでの魅力は?
キャプション 鈴木さんは、3年前から自家用畑でワタを栽培している。食べものだけでなく、着るものも自給したいと考えたからだ。/ 「ごめんなさいー。今年はコットンボールがまだはじけてないんですよー」。 なんと、例年なら8月末からはじけだすはずのコットンボールが、9月22日になっても、まだ開いてくれないという。仕方がない、お天道さまには逆らえません。代わりに、クリーム色のきれいな花と、もうすぐはじけそうなコットンボールを撮影させていただけた。/ 昨年までの収穫物より。上の3つが茶色の和綿で、下の左2つは緑色の米綿、右下が白の米綿(カラー写真は、裏表紙をご覧ください)。 左は苦労したワタで、味わい深い。真ん中が健康優良児で色あざやか、右上は、白と交配したのか、クリーム色だ。/キャプションなし/ それぞれの綿毛で糸を紡いだら、こんな感じになる。/(1)タネがついたままの綿を、色ごとにより分ける。/(2)綿繰り。日本で江戸時代から使われてきた綿繰り機。2本のローラーの間に、タネの入った綿毛をあてて、取っ手を回すと、綿だけが引き込まれて、タネは手前に落ちる。/(3)これは、羊毛用のハンドカーダーといわれる道具。綿毛を入れてこすりあわせると繊維の向きが整う。何回もすると繊維が切れてしまうのだが、綿打ちの仕方がわからないので、これで代用している。/(4)チャルカと呼ばれる糸をつむぐ道具。インドで使われている。左手に綿毛をもって、右手でハンドルを一回りさせると、左手の先にあるスピンドルが60回転し、綿によりをかけて糸をつむぎながら、巻きつけていく。/(5)チャルカでかせあげをする。ハンドルをとりはずして、L字型の棒(かせあげの羽)をとりつける(写真奥)。 羽をグルグル回すことで、手前のスピンドルにくるまった糸を、四角に巻き取っていく。一辺が25cmで、1周1m。何段巻いたかで、何mの糸ができたかわかる。/(6)羽に巻きとった糸をとりはずすと、うまくよじれてかせ(束)にできる。/ 掛け軸風に手織りしたものに、3色の綿毛をはさみこんだ。綿毛にはちゃんとタネもついている。こうやって飾っておけば、どこかにしまい込んでしまうこともなく、タネを保存しておける。/ 綿毛がたまったら、布やタペストリー、服もつくってみたい。ガラ紡と呼ばれる紡績機でつくった布もつくりたい、と鈴木さん。 豊川市のお隣、豊橋市や蒲郡市は、昔ガラ紡による綿工業が盛んだった。ガラ紡でつくった糸(上の写真)は、太くてムラがある。でも、繊維の短かい和綿や、糸クズ、布団用に使い古した綿を再利用することができる。ガラ紡の布きんは洗剤を使わずに食器の油よごれを落とせるので、環境にやさしい布としても注目されている。
記事区分
親記事/かこみ
作目
備考/キーワード
ページ数(ポイント数)4