サツマイモの病気

●葉の被害

育苗床および圃場で発生する。葉脈間に淡黄色の小さな斑紋が生じ,斑紋の周囲は紫色になる。これらの病徴は夏期の高温時にはマスキングされて消去する 斑紋モザイク病
青かび病は,最初,いもの表面に黒褐色の円形の病斑を形成し,腐敗は徐々にいもの内部に進展する。いもの表面には青緑色の胞子を多数形成し,粉がふいたようにみえる。褐色乾腐病は,いものなり首や尻付近から発生することが多く,腐敗が内部に進展するにつれて表皮にはしわができ,しぼんでくる。乾腐病は,いもが暗褐色で水浸状になり,のちに軟化腐敗する 貯蔵性病害

●根の被害

塊根の外観は正常だが,切ると内部が褐変している 塊根の内部褐変症
塊根の一部または広い部分に,みみずばれ状の隆起が発生する 皮脈
塊根が縦方向に深く割れてくぼむ 裂開
長径比2.5以下の丸い塊根となる 丸いも
いも表面に線形状の隆起した症状が横縞状に散在する 皮目

●葉,つるの被害

植え付けて間もない活着期から発生し,枯れて欠株となる。その後,掘取り期まで発生し,つるが伸び茂った大きな株でも,株全体が枯れる つる割病
病斑ははじめは浅く,緑を帯びた黒褐色をしているが,時間がたつと黒色がより強くなり,表面がくぼんだ円形となる。その中央部にかびを生じる 黒斑病
植付け2週間ごろから葉色が悪く,生育の不良な株がみつかったら,抜き取って地下部の根と茎を調べる。根が黒褐色に腐っていたり,腐って脱落していたりする 立枯病

●いもの被害

掘り取ったいもの表面に,紫褐色の糸のような菌糸束が,網目のようにからみついている 紫紋羽病

サツマイモの害虫

●葉の加害

葉を折って綴り,内側から表皮を残して食害する イモコガ
葉の葉脈を残して食害する ナカジロシタバ
若齢幼虫による葉が白く透けて見えるような白変葉が目に付く ハスモンヨトウ
葉柄だけが残るような食害をする エビガラスズメ
葉の葉脈の間を表皮を残して葉肉のみを食害する ヒルガオハモグリガ
新葉の葉裏に寄生する。葉が縮れたり巻いたりする アブラムシ類

●塊根の加害

皮目部分に黒褐色のしみや小さな亀裂を生じたり,根が褐変して腐る ネグサレセンチュウ
えぐり取られたような被害であるが,被害の深さは比較的浅い コガネムシ類
針金で突き刺したような円形の小さな被害であるが,被害の深さは深い マルクビクシコメツキ
ハリガネムシの被害に類似するが,連続的に長く連なった被害が認められる ハイイロサビヒョウタンゾウムシ
塊根の細根発生部分がえくぼ状に凹んだり割れ,さらに融合してケロイド状や裂開になる ネコブセンチュウ類
甚発生の場合,表面に針金で突き刺したような円形の小さな孔(成虫の食害痕)が認められることが多い アリモドキゾウムシ

●地際部,茎の加害

加害された茎,特に地際部が肥大し,粗大な糞が多量に排出されている サツマイモノメイガ
地際の茎に幼虫の褐変したすじとなった食害痕 イモゾウムシ