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ネギの安定多収栽培[著]松本美枝子

これまでネギ栽培は重労働で敬遠されがちでしたが、小苗育苗の普及と機械化、晩ネギ品種の開発が進み、規模の大小にかかわらず、もうかる品目になってきています。

しかし、実際には湿害や降雪などによって、目標とする収量に届かないことも多いです。

本書は、スタンダードな根深ネギの秋冬どり栽培を中心に、初心者や出荷量が伸び悩んでいる人に向けて、課題となっている水分管理や土寄せのタイミング、調整作業などの勘所を紹介します。

ネギ特有の複雑な作型や品種(根深ネ ギ、葉ネギ、短葉ネギなど)についても網羅しています。

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価格:¥1,944/発売時期:2015年6月

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ネギ安定多収のポイント

重要な土寄せ前の生育管理

ネギにとって断根を伴う土寄せは大きなストレス。生長もしばらく止まってしまう。「寄せたら30日は動かすな」がネギの土寄せの大原則。土寄せ前に、できるだけ理想の生育姿に持ち込むのが、ネギ安定生産の勘どころ。

湿害対策を徹底的に

理想のネギ姿に持ち込む上で最大のネックが、湿害。ネギはめっぽう過湿に弱い。額縁排水、捨て溝づくりなどで表面排水を徹底的に。

この2つの基本を実現できれば、作型拡大も容易。本書では、一般的な秋冬どりを中心に、夏秋、春・初夏どり、また簡易軟白や葉ネギ、短葉ネギの栽培についても紹介する。

 

目次

はじめに

序章 ネギはまだまだ儲かる―なぜ今、ネギなのか
1 日本人はネギが好き―全国どこでも根深ねぎ、葉ネギを食べる時代に
2 一年中必要とされるようになった
・品種、作型の開発で周年生産が可能に
・国産野菜への回帰が進んでいる
3 ネギ安定経営のねらいと押さえどころ
・低価格にも耐える生産体系を
・夏秋どり、葉ネギなどで作期を拡大する
・機械化は経営の身の丈にあわせて
・機械導入に見合う作業体系と人員配置

*葉身中の粘液が免疫力を高める

第1章 ネギという作物のとらえ方
1 形態的特徴
・子葉が折れ曲がって発芽
・根は斜め下〜横に伸長し、切れても再生しない
・葉の付け根の根盤部が生長点
・葉は互生して展開
・抽苔茎は硬く、食用にできない
2 生理、生態的特徴
・温度、光、水分とネギ
・生育量と分げつ
・土寄せとネギの生育
・花芽分化と抽苔
3 休眠特性と品種群
・夏ネギ型(加賀群)
・冬ネギ型(九条群)
4 養分吸収の特徴
・定植後50日以降に養分吸収量がぐっと増える
・チッソは途切れず効かせる

第2章 ネギ栽培のポイント
1 反収四tを目標に!
・苦手な高温期を乗り切る
・生育段階ごとの栽培ポイント
2 湿害、病害のまん延を防ぐ
・ネギで怖い湿害
・病害は発生前に予防

第3章 多様な品種・系統と作型
1 誕生から現在に至るまで
・古くからアジアの各地で栽培
・品種の分化と日本への伝来
2 現在栽培されている品種群
・加賀群
・千住群
・九条群
3 品種と作型
・加賀群・千住群の品種と作型
・九条群の品種と作型
4 地方品種
・曲がりネギ
・下仁田ネギ
・観音ネギ
・赤ネギ
・岩津ネギ
・越津ネギ

第4章 秋冬どり栽培の実際
1 年内どりと一〜三月どり―2つの作期タイプ
2 圃場の選定
3 圃場の準備
4 播種と育苗
5 定植のポイント
6 施肥―追肥で追うか、全量元肥一発か
7 土寄せと排水対策
8 収穫と出荷
9 春播き冬どり(簡易軟白栽培)

*機械移植用(みのる式)の育苗について(チェーンポット育苗との比較)
*積雪地帯では秋冬どり栽培をシュミレーションし、雪による収穫打ち切りを避ける

第5章 夏秋どり栽培
1 近年、栽培面積が増加
2 栽培のポイント
3 栽培の実際

第6章 春どり、初夏どり栽培
1 特徴と栽培のポイント
2 栽培の実際

第7章 短葉ネギ、葉ネギ・小ネギ栽培
1 短葉ネギ
2 葉ネギ
3 小ネギ栽培

*九条ネギ専用の移植機
*ブランド化している各地の小ネギ

第8章 病害虫防除と生理障害対策
1 病害発生の特徴と対策
・地下部に発生する病害(黒腐菌核病/根腐萎凋病/根腐性疫病/軟腐病/白絹病/小菌核腐敗病)
・土壌病害の耕種的防除法(残渣は焼却処分/3〜4年の輪作/太陽熱土壌消毒)
・地上部に発生する病害(白色疫病/さび病/べと病/黒斑病/萎縮病/黄斑病(まだら症))
2 害虫の特徴と対策
・重要害虫(ネギアザミウマ/ネギハモグリバエ/ネギコガ/ネギアブラムシ/ネダニ)
・害虫の耕種的防除法(紫外線除去フィルム、防虫ネット/性フェロモン剤による交信錯乱/残渣は圃場から持ち出す)

第9章 機械に使われることがないように
1 規模拡大に必要な機械化
・ネギ専用機は高い
・改善したい作業から機械化
2 作業別機械の導入ポイント
・植え溝掘りの機械
・定植の機械(ひっぱりくん/自動定植機を利用)
・土寄せの機械
・防除の機械(動力噴霧器/2ha以上ならブームスプレーヤ)
・収穫の機械(トラクタ+手作業でも/自走式収穫機の大きな省力性)
・皮むきの機械(皮むき機は必備/1ha以上ならベストロボを利用)
・結束の機械
3 かしこい機械化の手順
・規模に応じた機械装備と人員配置が大事
・「儲かる」実感を経ながら規模を拡大
・(付録)ネギ品種と収穫期一覧

あとがき


松本美枝子(まつもと みえこ)

元富山県農業技術センター。県職時代にハクサイ、サトイモ(新特産サトイモの著者)などの栽培技術や土壌肥料、病害虫の研究などに取り組む。現在は全農とやまの営農販売部(TAC主幹)で、ネギ生産の普及や肥料設計に取り組む。


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著者:松本美枝子/価格:¥1,944/発売時期:2015年6月

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