開発と保全2 川除仕様帳(甲斐)・積方見合帳面(紀伊)・治河要録・通潤橋仕法書〈肥後)

口絵

川除仕様帳(甲斐)<かわよけしようちょう>

古来から,治水のために洪水を河川内に閉じこめる工夫をしてきた。が,洪水に勝つより負けない工夫が大事だと,川の性格の観察,工事の心得にも言及しつつ,堤防の築き方など甲州流の正統ともいうべき具体策を述べる。

積方見合帳面(紀伊)<つもりかたみあいちょう>

紀伊国伊都郡学文路村の庄屋・大畑才蔵は,和歌山藩の藩命を受け,領内の溜池・用水路の築造のための検分,測量調査を行ない,普請計画を策定した。本書はその記録で,才蔵の地方巧者(じかたこうしゃ)としての面目が躍如としている。

治河要録<ちこうようろく>

幕末,江戸幕府によって編さんされた河川改修技術の集大成。関東・東海・甲州地方の大河川の特徴と改修技術,改修の経緯が記されている。「竜王村・西八幡村堤者信玄堤と申候て」と,信玄堤についての記述もみえる。

通潤橋仕法書〈肥後)<つうじゅんきょうしほうしょ>

肥後国矢部手永(郡)の総庄屋による,石橋・通潤橋と,その上に設置された送水用の石の設計・工法書。克明な図面が示され,設計・施行のようすがよくわかる。通潤橋の架橋で,不毛の白糸台地に100町歩の水田が拓かれた。