漁業2 玉川鮎御用中日記(武蔵)・氷曳日記帳(信濃)・松江湖漁場由来記(出雲)・釣客伝(武蔵)・金魚養玩草(和泉)

口絵

玉川鮎御用中日記(武蔵)<たまがわあゆごようちゅうにっき>

多摩川沿岸の村々では,農間余業を主とするあゆ漁が盛んで,とりわけ御用あゆを江戸城御台所へ上納してきた。そのあゆ御用世話役の熊川村名主が,あゆ漁と世話役の動向を記す。意外なほどの河川漁業の盛行とあゆ御用の実態がわかる。

氷曳日記帳(信濃)<こおりびきにっきちょう>

氷曳漁は,結氷した湖上に穴をあけ,氷の下に網を入れて敷設し,地引網のように氷の下を引いて魚をとる漁法。本書は,諏訪湖の阿戸(氷曳漁が行なわれる場所)での氷曳漁の決まりや具体的な実施法を記した唯一の資料。

松江湖漁場由来記(出雲)<まつえこぎょじょうゆらいき>

鱸(すずき)や白魚を中心とする松江湖(宍道湖)の漁法,漁業慣行,漁師の身分など,漁業の総体がわかる文書。松江藩によって漁業権を特権的に保護されていた白潟漁師の関係者が,その再確認のために書いた漁場由来記。

釣客伝(武蔵)<ちょうきゃくでん>

釣り師による,江戸湾・相模湾,江戸近辺の河川をおもな対象にした釣りの手引書。「江戸前」の釣りを中心に,体験・見聞にもとづき,具体的な仕掛けや技法を公開する。その要点は,時候・場所・勘・手廻し・根である。

金魚養玩草(和泉)<きんぎょそだてぐさ>

金魚のよしあしの見分け方から飼い方までの全般にわたる,金魚飼育書のさきがけ。以後,数多くの金魚飼育書が輩出し,川柳に「裏家住つき出しまどに金魚鉢」と詠まれたような,金魚文化の大衆化に大きな役割を果たした。