口絵

賀茂郡竹原東ノ村田畠諸耕作仕様帖(安芸)<かもぐんたけはらひがしのむらたはたしょこうさくしようちょう>

稲を中心に,麦・綿・麻・たばこ,その他の雑穀・野菜類それぞれについて,耕作の方法を簡潔に記す。高い二毛作率,集約的農業,商品作物生産など,18世紀初頭,瀬戸内地域の農業技術の背景を知るための好史料。

物紛(乾)(土佐)<ものまぎれ〔けん〕・ぞくものまぎれ>

年中温暖な土佐国では,水稲二期作と輸送園芸が発展していた。その実態を解明できるのが本農書で,子孫への戒め,農民の心がまえ,米・麦,園芸作目,多様な商品作目,加工食品・家畜・肥料などについて具体的に論じている。

続物紛(土佐)

年中温暖な土佐国では,水稲二期作と輸送園芸が発展していた。その実態を解明できるのが本農書で,子孫への戒め,農民の心がまえ,米・麦,園芸作目,多様な商品作目,加工食品・家畜・肥料などについて具体的に論じている。

農業之覚(土佐)<のうぎょうのおぼえ>

高知城下近郊の稲作と麦作,山間部の焼畑という,対照的な農業が紹介されている。明治以降も試験場の研究課題になった「土佐の厚蒔き」稲作の実態,豊かな山を活用した自給用作物,多様な商品作物生産の実態がわかる。

農業手曳草(伊予)<のうぎょうてびきぐさ>

宇和島藩山奥組横林村の庄屋が,藩の農作物栽培法についての諮問に答えたもの。刻苦勉励して庄屋にまでなった体験的な人生哲学を織りこんで,稲・大豆・とうもろこしなど6種の耕作法を述べる。

農業心覚五穀年並心例(筑前)<のうぎょうこころおぼえ>

筑前国下座郡屋形原村での五穀の試作結果を中心に,54種の作物にふれる。とくに稲作,あわ作について詳しく,稲で「つるほそ」「あかさこ」など9品種,あわで「八石」「そうだもち」など5品種をつくりこなしている。

農人定法(筑前)<のうにんじょうほう>

『農業心覚』と同じ著者による姉妹書で,両書とも『農業全書』刊行後6年という早い時期に,その影響のもとに成立。米・麦・あわ・たばこ・野菜の栽培法,作物のつくりまわし,人の使い方などについて述べる。

糞養覚書(対馬)<ふんようおぼえがき>

現場の役人が,肥料の製法・施肥法を編さんし,郷村に配布したもの。いわし,海藻などを重視する。