口絵

耕耘録(土佐)<こううんろく>

土佐藩12代藩主・山内豊資の代に著わされた。土性,地質,気象によって一毛作田と裏作可能田とを判断する方法についての記述は,近世農書中異色。

冨貴宝蔵記(土佐)<ふうきほうぞうき>

土佐国野根村の一農民が稲作害虫防除法について具体的にまとめたもの。ウンカ,メイチュウなど虫ごとに対策を述べる。植物浸出液による防除法の記述は生物農薬の原点。

農家業状筆録(伊予)<のうかぎょうじょうひつろく>

文化年間(1804〜17),大洲藩士によってまとめられた農村見聞記。農民への共感をもって,農村の姿と農家の日常生活を詳細に描く。

藍作始終略書(阿波)<あいさくしじゅうりゃくしょ>

阿波国の特産物であるあいの栽培から製造までの総合解説書。葉あいのねかせ方,あい玉の鑑定法,あいごみ,あいの茎の利用法など,およそあいに関することについて微に入り細をうがって記す。

甘蔗裁附ヨリ砂糖製法仕上迄ノ伝習概略記(讃岐)<かんしゃうえつけよりさとうせいほうしあげまでのでんしゅうがいりゃくき>

讚岐国の特産物砂糖について栽培,経営,製法を示した書。栽培から製造にいたるまでを生産者の身になって簡潔に示している。