口絵

一粒万倍穂に穂(備中)<いちりゅうまんばいほにほ>

備中地方の実情にそって農業技術の改善をめざした書。数度にわたって板行され,近世後期の農業技術の普及に大きな役割を果たした。

自家業事日記(因幡)<じかぎょうじにっき>

鳥取城下,千代川ぞいの住人により嘉永年間(1848〜53)に書かれた。人糞,ほしかなどを積極的に導入して商品生産をしている。家訓書でもある。

農業功者江御問下ケ十ケ條并ニ四組四人ヨリ御答書共ニ控(周防)<のうぎょうこうしゃへおといさげじっかじょうならびによんくみよにんよりおこたえがきともにひかえ>

周防国大島の郡代官による篤農家たちへの農事の質問と,それに対する回答。田の良否の判定法,害虫防除の実際,選種法,掛干しの実情などを回答。

農業年中行事(周防)<のうぎょうねんじゅうぎょうじ>

藩の役人が庄屋に指示して作成・提出させた一種の調査報告書。月例の農作業と,主要な作目については1反当たりの必要な労力・肥料代を各作業ごとに計算した「手数え積」からなる。