口絵

農具揃(飛騨)<のうぐせん>

農具350余種を12か月に配当して農事万般と生活の実際をまとめたもの。毎月の行事や風俗も紹介し,民俗学上の文献としても貴重。

乍恐農業手順奉申上候御事(美濃)<おそれながらのうぎょうてじゅんもうしあげたてまつりそうろうおんこと>

美濃国付知村の農業指導者・田口忠左衛門による農耕の手順をまとめた農書。年間の農作業を順を追ってとりあげ,要点をおさえる。入会山の利用の実態もいきいきと示している。

家訓全書(信濃)<かくんぜんしょ>

若くして父母を失って鍬をとった著者が,自らの農耕体験と生活のあり方を子孫に伝えるために著わした書。農耕から台所仕事まで,子孫への思いをこめてつづる。