口絵

民間備荒録(陸中)<みんかんびこうろく>

宝暦5(1755)年,一関藩の藩医による著作。飢饉時の草木の食べ方,飢えた人々への手当ての仕方,農民が飢饉に備えてつくるべき草木を説く。

北条郷農家寒造之弁(羽前)<ほうじょうごうのうかかんづくりのべん>

米沢地方の立地条件をもとに各種作物の栽培法を詳述。漆など,特産物についても記す。筆者は農村在住の下級武士。

農事常語(羽前)<のうじじょうご>

苗代,施肥,耕起,田植,除草および畑作から成る。全体を貫くのは「農業は手入れしだいで結果に天地ほども開きがでる」との思想。

無水岡田開闢法(羽後)<むすいおかだかいびゃくほう>

救荒作物としての馬鈴の効用と栽培法を,老農岡田明義が栽培試験の結果などから説く。馬鈴の経営上の有利性と栽培条件を記す。

上方農人田畑仕法試(羽後)<かみがたのうにんたはたしほうだめし>

農業指南のため羽後の国を訪れた大坂の農人2人に教えられた農事の記述。水稲のほか,ねぎ,大根などの野菜の栽培が詳しい。

耕作口伝書(陸奥)<こうさくくでんしょ>

元禄11(1698)年,津軽藩士の著わした農書。岩木山の雪形の状態などにより作業適期の遅速を判断するなど,立地・風土に根ざした書。