農村力発見事典 『季刊地域』の用語集 59ワード

農村力発見5 自治力 愛するむらは放っておけない

地域おこし協力隊

自治力

人を増やす、増えていく

季刊地域30号(2017年夏号)114ページ


 地方自治体が地域外の人を募集して地域おこし活動を委嘱する、2009年に開始された総務省管轄の制度。採用された隊員の任期は1〜3年、報酬は1人年間200万円。16年度は863の自治体で4158人が活動しており、隊員は20〜30代中心に年々増えている。収入が保証されることで、田舎への移住希望者や、Uターンしたい地元出身者の背中を押す制度となっている。

 どんな仕事を任せるかは各自治体が決める。自治会の手伝いや6次産業化商品の開発・デザイン、就農に向けて農業研修をさせるなどさまざま。課題の一つは、受け入れ側の地区住民と隊員とのマッチング。自治体が住民との合意がないまま隊員を募集すると、住民の側はどう受け入れていいかわからないし、隊員のほうも人脈をつくりにくい。新潟県上越市吉川区の場合は、「地区内に就農・定住者を増やしたいから」と市に協力隊を募集するよう自ら働きかけ、採用時の面接にも地域住民が参加。おかげで、受け入れ後の面倒もみんなで見る態勢にスムーズにつながっている。

 地域の課題解決に隊員を巻き込んでいくと、定住につながりやすい。たとえば、直販にまで手が回らなかった熊本県和水《なごみ》町の農家は「うちの作物を売ってみないか」と町の隊員に声をかけて一緒に農産物や加工品を販売する合同会社を設立。隊員の任期後の生業になっている。奈良県吉野町殿川集落では小水力発電に取り組むにあたり、電気工事士の資格をもつ隊員と協力。隊員は任期後に殿川の空き家を購入して定住、現在は自治会の役員も務めている。

→「特集 地域おこし協力隊をむらにとりこむ」18号(2014年夏号)「連載 地域で仕事おこし隊」17号(2014年春号)〜29号(2017年春号)

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