農村力発見事典 『季刊地域』の用語集 59ワード

農村力発見5 自治力 愛するむらは放っておけない

ガソリンスタンド

自治力

困りごとから「むらの仕事」へ

季刊地域30号(2017年夏号)111ページ


 全国のガソリンスタンドの数は、1994年の6万421カ所をピークに減少が続き、2014年には3万3510カ所と20年でほぼ半数に減った。セルフスタンド化などの価格競争や、車の燃費向上による販売量の減少が原因といわれるが、11年施行の改正消防法により40年以上経過した地下タンクの更新が義務化され、高額な改修費用を捻出できず廃業する店も多かった。

 公共交通の少ない農山村は、都会よりも車社会。地元で唯一のガソリンスタンドがなくなれば、給油のたびに遠くのまちまで行かなければならない。軽油や灯油も入手しづらくなり、農作業に必須のトラクタや寒い冬をしのぐストーブにも支障が出る。ガソリンスタンドがなくなることは、高齢世帯が多いむらにとってはライフラインにかかわる問題でもある。

 最近では撤退したガソリンスタンドを地元住民が引き継いで経営する事例が増えている。ガソリンスタンドだけで採算をとるのは難しいが、高知県四万十市の(株)大宮産業では、「むらの店」と地域ブランド米の販売(主に地元出身者に販売)も手掛けて、合わせ技で黒字を実現。重たい灯油や肥料の無料配達は高齢世帯の見守りや生産意欲の刺激につながり、年寄りが元気に畑に出ていく地域になっている。

→「特集 地あぶら・廃油・ガソリンスタンド」13号(2013年春号)、「農協店舗が撤退 住民出資の株式会社、見事に引き継ぐ」12号(2013年冬号)

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