農村力発見事典 『季刊地域』の用語集 59ワード

農村力発見4 自給力 何でもつくる、みんなでつくる

地域経済だだ漏れバケツ

自給力

季刊地域30号(2017年夏号)106ページ


 地域経済がなぜなかなか立ち行かないかを考えると、ひとつには、せっかく稼いだおカネが地域内で使われずに、地域の外に出ていってしまうからである。地域経済をバケツに見立てれば、給料や年金、補助金などの形でバケツに注ぎ込まれた水(おカネ)が、外食費や電気代、ガス代、灯油代、ガソリン代といった燃料費、通信費、アルコール代などの形で「だだ漏れ」しているのが現状だ。

 実際に島根県の益田市、津和野町、吉賀町という地方都市圏(人口約7万人)のおカネの流れを産業連関表などから見ても、住民総所得約1556億円に対して、モノやサービスの域外調達額が約1420億円と、所得とそう大差ない額が流出していた。

 この「だだ漏れバケツ」の穴をふさぎ、域内調達率を高めることで、新しい仕事を生み出すことができるはずだ。なかでも電気代、燃料費、パン代、アルコール代といった穴の大きな(域外調達率が高い)品目ほど、取り戻す余地が大きく、狙い目といえる。電気をすべて大手電力会社から買うのではなく、小水力発電や太陽光発電でまかなう、燃料を灯油ではなく、薪に置き替える、地元のブドウを使ったワイナリーを興すといった具合である。

 このように地域経済の「穴」を一つひとつふさいでいくことで、地域内に循環する資源とおカネを増やし、地元に仕事を生み出していく。それは暮らしの「自給圏」をつくることにつながっていく。

→「特集 熱エネあったか自給圏構想」24号(2016年冬号)

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