農村力発見事典 『季刊地域』の用語集 59ワード

農村力発見4 自給力 何でもつくる、みんなでつくる

ほろ酔い自給圏

自給力

季刊地域30号(2017年夏号)106ページ


 アルコールは農村でも域外依存度が高い分野で、「地域経済だだ漏れバケツ」の穴の一つ。しかし近年、国産ブドウ100%で醸す日本ワインや個性的なクラフトビール人気もあり、地ワイン・地焼酎・地ビール・地酒など、自慢のわが酒をつくる動きも高まっている。

 大手メーカーのものばかり飲んでいるとつい忘れがちだが、酒はそもそも農産物だ。農村部でつくるのに合っている。自分たちで育てた作物で醸す酒は唯一無二だから、地域の名刺代わりにできるし、産直のお客さんにも売れる。さらに普段の家や寄り合いでもこの酒を飲むようにすれば、アルコール代の域外流出はうんと減る。飲めば飲むほど地域のなかで経済が回るというわけだ。

 ドブロクも果実酒もリキュールも、自分で酒を醸すには酒造免許が必要となり、ハードルが高いが、酒造特区(通称ドブロク特区・ワイン特区)の認定を受ける自治体も年々増加中だ。近年はとくに日本ワインが人気で、おいしいワインをつくるためにUIターン就農し、ワイナリーを開く若者も出てきた。

 自分でつくらなくても、地元の酒造会社(酒蔵)に材料を持ち込み、醸造を委託する方法もある。宮崎県高原町の(農)はなどうでは、裸麦・二条大麦・酒米などの材料を生産し、焼酎・ビール・日本酒すべてを委託醸造して直売所で販売、大人気だ。いまや法人の栽培面積6割分の作物が酒の原料となり、耕作放棄地も解消。UIターン者の雇用にもつながった。酒をつくれば、人も田んぼも畑も元気になれる。

→「特集 新春! 今、規制緩和すべきなのはドブロクじゃないのか」16号(2014年冬号)、「特集 日本列島ほろ酔い自給圏構想」23号(2015年秋号)

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