農村力発見事典 『季刊地域』の用語集 59ワード

農村力発見4 自給力 何でもつくる、みんなでつくる

農家の土木

自給力

季刊地域30号(2017年夏号)102ページ


 農家・農村は、土木だって自分たちでやる。

 細い農道のコンクリート舗装、水漏れする水路のひび割れ補修、田んぼのせまち直し……むらのインフラは日々の農作業や防災に関わることなので早く整えたいが、公共工事を待っていても自治体の財政は厳しく、予算も順番もなかなか回ってこないのが現状。だったら自分たちでやってしまおう!ということで、地域住民が共同作業で整備・補修する自主施工、いわゆる現代版普請が注目されている。集落の話し合いで施工場所を決め、補助金なども活用して資材を入手。作業はみんなでやるので早いし、経費は公共事業でやる場合の3分の1程度ですむ。多面的機能支払や中山間直接支払、自治体の資材支給事業など、使い勝手のいい補助金もいろいろ出てきた。

 農家の土木は、業者がやりたがらないような小さな仕事なので、地元土建業者と競合するようなことはない。農家自身がやるほうが、作業しやすい田んぼに仕上げたり、使い勝手のいい道にできて好都合な面もある。道具や機械も、地域にあるもので十分。生コンは近くの工場からミキサー車で運んでもらい、トンボやコテなどで均せばいい。水路の目地補修には専用のシーリング材などが開発され、簡単に充填できる。せまち直しやU字溝などを持ち上げるにはバックホーが使える。

 そして、自分たちで手がけると、断然愛着がわく。農家が「自分たちのむら」が大好きなのは、自分たちの手で「つくってきた」実感があるからだ。「他人まかせ・行政まかせ・カネを払って企業まかせ」の都会人と、そこが大きく違う。

→「特集 農家の土木基礎講座」28号(2017年冬号)

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