農村力発見事典 『季刊地域』の用語集 59ワード

農村力発見2 地エネを生み出す力もある

薪ストーブ

地エネ

季刊地域30号(2017年夏号)87ページ


 暖めた空気を送るだけのエアコンと違い、薪ストーブの発する遠赤外線は、瞬時に皮膚に届き、細胞内の分子を振動させて熱を発生させるので、体の芯まで暖まる。パチパチと薪のはぜる音や炎の揺らめきも何ともいえない幸福感をもたらし、天板でコトコト煮込み料理ができるのもうれしい。自分で薪をつくれば燃料代はタダ。どこか遠い国から来る石油や原発がつくる電気より、身近な山の木々で暖まりたい人が増えており、薪ストーブライフを楽しみたくて都会から田舎に移住する人もいるほどだ。

 国産薪ストーブには、かつては「欧米のものより安価だが、燃焼効率が悪くて煙突にススが溜まりやすい」というイメージもあったが、最近は2次燃焼(完全燃焼)タイプの高性能ストーブが続々登場している。なかでも、田舎の小さい鉄工所は、地元の要望を受け、針葉樹薪を燃やせるオリジナル薪ストーブ開発に力を入れている。燃焼室の鉄板を厚くしたり、耐火レンガを入れたりして、「火力が強すぎて炉が傷む」と敬遠されがちだったスギやヒノキやマツの薪もガンガン燃やせる。鋳物製の輸入薪ストーブより、明らかに日本に向いたストーブだ。

 また、各地で大ブレイク中なのが、誰でも手づくりできるロケットストーブ。燃焼筒(ヒートライザー)の周りをパーライトなどで断熱することで、燃焼筒内に強力なドラフト(上昇気流)が発生。その名の通りゴーッとロケット発射時のような音がして、焚き口から空気がどんどん引き込まれ、完全燃焼。単純だがすぐれたしくみで、京都府南丹市の美山里山舎考案「なんたん暖炉」など、ロケットストーブ内蔵型の薪ストーブも多くなってきている。

→「特集 薪で元気になる!」12号(2013年冬号)、「図解 進化する国産薪ストーブ」24号(2016年冬号)

2次燃焼(完全燃焼)のしくみ

1次空気の供給で薪を燃やし(1次燃焼)、さらに炉内で暖められ高温となった2次空気の供給で可燃性ガス(一酸化炭素・水素・炭化水素)を燃やす(2次燃焼・完全燃焼)。煙突は、内部の空気が高温なほど引き込みがよく燃焼効率が上がるので、二重断熱煙突にする人もいる

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