農村力発見事典 『季刊地域』の用語集 59ワード

農村力発見2 地エネを生み出す力もある

地エネ

地エネ

季刊地域30号(2017年夏号)84ページ


 3・11以降、原発事故を受け再生可能エネルギーへの関心が高まったが、電力にしろ熱エネルギーにしろ自然の力を利用して生み出そうとする限り、その主な舞台は農山村となる。急峻な河川の水流を利用する水力発電をはじめ、風や太陽光、温泉熱や木質バイオマスなどでの発電や熱利用も、豊かな自然と地域資源、そして広大な土地がふんだんにある農山村ならではのエネルギー生産といえる。

 2012年にFIT(電力の固定価格買取制度)が始まり、再エネ電力の高単価買い取りが保証されたことから、発電事業に参入・資本投下する企業が続出。特に太陽光パネルを荒れ地一面敷き詰めるメガソーラーは瞬く間に日本全国に広がり、農山村の風景を一変させるほどになっている。だが、これらの企業は地元出自ではない大企業やベンチャー企業であることが多く、地元にはせいぜい土地の賃料が入るだけ。FITで上げた高収益のほとんどが本社のある都会へと吸い上げられていく。

 そんななか、せっかくの農山村のポテンシャルを地元でこそ活かしていこうという動きが、小さいながらも各地で起こっている。農業用水路での小水力発電、田んぼの法面での太陽光発電、間伐材やモミガラ利用のバイオマス発電などは、まさに農村力発電。里山の木を切って薪を生産し、地域の熱エネ供給に一肌脱ぐ動きも盛んになってきた。「地エネ」とは、地元のエネルギー、地方分散型エネルギー、地産地消エネルギー、そして「地に足のついたエネルギー」の思いを込めた『季刊地域』の造語である。

 地エネの電気は、売電して地元経済に還元するのもいいが、自分たちで楽しんで使うのもいい。緊急時の電源確保にも最適だ。農山村は食料だけでなく、エネルギーも生産できる能力と技を持っている。

→「特集 いまこそ農村力発電」7号(2011年秋号)、「特集 地エネ時代 農村力発電いよいよ」11号(2012年秋号)

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