農村力発見事典 『季刊地域』の用語集 59ワード

農村力発見1 地域資源にあふれている

皮なめし

地域資源

山の恵みは無限大

季刊地域30号(2017年夏号)78ページ


 捕獲したイノシシやシカの「皮」をはいでも、そのままではすぐに腐ってしまう。これになめし剤を浸透させ、内部の繊維の結びつきを強固にすることで、腐りにくく熱にも強く柔らかい「革」に変わる。

 なめしの手順は、

(1)前処理 腐敗のもととなる脂や毛を表皮ごと取り除く。なるべく純粋なコラーゲン繊維(タンパク質)である真皮のみにする。

(2)なめし剤に浸漬 植物タンニンやクロム、ミョウバンなどが、なめし剤の働きをする。昭和40年代までは動物の脳脊髄液もなめし剤として使われていた。

(3)仕上げ 柔らかく手触りよくするため、油を塗ったり引っ張ったりして繊維をほぐす。

 皮なめしは技術と手間のいる専門的な仕事で、自分たちでやるのは結構大変だ。業者に頼もうにも、以前は、不定期に捕獲される獣皮を気軽に引き受けてくれるところがなかなかなかった。だが2013年、東京の(株)山口産業らが「イノシシとシカの皮、なめして産地にお返しします」とMATAGIプロジェクトをスタートさせてからは状況が変わった。産地は、獣皮をはいで塩をまぶして送れば、1枚5000円で自分たちのなめし革が手に入る(タンニンなめし)。各地で地元産のシカ皮やイノシシ皮を使った商品開発に火が付き、16年8月時点で、獣皮活用に取り組む産地は175地域にまで増えている。

 いっぽう「なめしも自分でやりたい」と挑戦する人も増加中。ミョウバンやタンニンなど、身近なものを使って個人でもできる少量なめし技術も、今後深まっていくだろう。

→「特集 獣の恵み 皮・角・肉を利用する」15号(2013年秋号)

革は一生もの

・そのままだとすぐ腐る

・乾くとカチカチ

・熱に弱い

なめし

・皮になめし剤を浸透させる

タンナー(なめし職人)

・腐りにくい

・乾いても柔らかい

・熱に強い

革鞄 革ベルト 革靴

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