炊き上がったご飯に生の菊をたっぷり加え、全体によく混ぜてから蒸らします。やがて漂い始める菊の香りがごちそうで、新米を炊いて菊ご飯をつくると秋が来たと感じるのです。かつてはかまどで大勢の家族分のご飯が炊けたところに菊を加えたので、菊と炊きたてご飯の香りが家中に広がりました。薄めの醤油味のご飯にほろ……
10月に入り秋も深まると、県内の民家の庭先や畑には紫色に近いピンク色の菊の花が咲き乱れます。これが「もってのほか」「もって菊」の名前で親しまれる食用菊で、色の美しさとしゃきしゃきとした食感、香りと甘さ、ほろ苦さから食用菊の王様と呼ばれています。 名前の由来は「天皇の御紋である菊の花を食べるとはも……
鮮やかな紫色で、少量添えるだけで食卓を華やかにする料理です。甘酢和えで保存性もあり常備菜として重宝します。 紫の菊は新潟市では「かきのもと」といいます。由来は「生垣の根元に植えたから」「柿の木の根元に植えたから」など諸説ありますが、現在は「柿の実が色づく頃に赤くなるから」が一般的です。旬は10月……
とんぶりはほうきの材料になるホウキギの実で、ホウキギを栽培していた比内地方の人々がその実を食べられるように工夫して加工したのが始まりとされています。旬は10月から11月。収穫後に乾燥させ、ゆでて殻を除き、1日水に浸してから手でもんで果皮(外皮)やごみを流したものを食べます。直径1~2㎜の小さな緑……
県の南部は約4カ月も雪に埋もれる長い冬を乗り切るために、食品の貯蔵技術にも優れ、漬物の種類も豊富です。また、野菜の漬物のことを「がっこ」といい、どこの家庭でも競っておいしい漬物をつくり、お互いに持ち寄ってお茶を飲みながら漬物をいただく「がっこ茶」を楽しんでいます。 そのなかでも、なすの花ずしは、……