秋田県では正月の魚料理として、鯛の塩ふり焼き、はたはたの塩ふり焼き、きんきん（きんき）の塩ふり焼き、ぶりの照り焼きとともに鯉の甘煮もとり入れられています。鯉の甘煮は内臓も骨もおいしく食べられます。醤油、酒、砂糖などで甘辛く煮こみ、保存もきくので、おせち料理として重箱詰めにも適しています。 以前は……
会津や郡山で鯉料理というと最初に思い浮かべるのがこの料理です。たっぷりの砂糖と醤油で煮つけた鯉は身がみっちりとしまり、甘辛い味があとをひきます。 会津で鯉が食べられるようになったのは、天明の大飢饉のあと、家老の田中玄宰《はるなか》が何かあったときのために各家庭で鯉を飼うことを奨励してからといわれ……
佐久地方では年取り、お盆、冠婚葬祭や宴会には必ずといっていいほど鯉料理が出ます。洗い（刺身）、鯉こく、塩焼きなどありますが、うま煮はとくに喜ばれます。田んぼに千曲川の豊かな水が注ぐ佐久地方では、稲田養鯉《とうでんようり》といって田んぼで鯉を飼ってきました。鯉は年貢で納める必要がなかったので多くの……
