清明祭は、中国から伝来した祖先供養の行事といわれ、旧暦の3月上旬、二十四節気の一つ清明の頃盛大に行なわれます。墓前に親族や一族が集まり、重箱料理や果物などをお供えし共食します。聞き書きした那覇市の家庭では、本家が重箱料理をつくり、1970年代にはいとこやその子どもまで30名ほどが集まったそうです……
県中央部にある伊勢原市では、手づくりこんにゃくでつくる白和えが、法事や葬式などの仏事の料理とされてきました。具はこんにゃくだけで、野菜は入りません。今でこそ白和えを普段のおかずにすることもありますが、昔は日常の菜《さい》(おかず)にすることは避けていました。聞き書き調査をした家庭では、伊勢原に嫁……