南部地方は平安時代からの馬の産地で、祭りや玩具など馬にまつわるものがたくさんあります。馬肉鍋をはじめとする馬肉料理もその一つで、なかでも五戸《ごのへ》には馬の仲買人(馬喰《ばくろう》)が多かったこともあり、大正時代から町内に馬肉料理屋がありました。 馬肉鍋を家庭で食べるようになったのは戦後になっ……
馬かやきとは馬肉とこんにゃくなどを煮たもので、馬肉鍋、馬肉の煮こみと呼ぶこともあります。秋田県北には古くから鉱山が多く、金や銀、銅が採掘されました。旧南部藩の鹿角《かづの》は馬産地でもあり、過酷な肉体労働に従事する鉱夫たちが力をつけるため好んで食べたのが馬肉で、ここから馬肉文化が始まったとされて……