酒で酔わせたどじょうが骨までやわらかい、トロミのある味噌仕立ての汁です。農家は土用になると稲の根張りをよくするため、水田の水を干し上げます。このとき、用水路も干し上げてどじょうをとりました。そのどじょうとうどん、自家製の野菜をたっぷり使った夏バテ予防のスタミナ料理として、農家の多い地域に伝わって……
県北部に位置する宇佐市院内町《いんないまち》は海から離れた山間地で、海産物は容易に入手できるものではありませんでした。ここでは河川や田んぼに生息しているどじょうが貴重なたんぱく質源で、どじょう汁は大変なごちそうでした。夏場は田んぼを干すために水を抜く際、泥の中から出るどじょうがとれたので、どじょ……