山梨県は山間地が多く、水利が悪く稲作に向かない地域では、昔から小麦粉を主食とし、ほうとうはほぼ全県で食べられてきました。おほうとう、のし入れ、煮ぼうと、煮ごみうどんと地域ごとに呼び名の違いがあります。畑仕事を終えて帰宅後、地粉でつくった生地と野菜をだしで煮て味噌を入れ、10分ほど煮こめばよく、短……
徳島市周辺や県南部では、桃の節句(月遅れの4月3日)になると、女の子も男の子も三段重ねの手提げの小箱「遊山箱」にごちそうを詰めてもらい、遊山に出かけます。 中に詰める料理は、巻きずしにいなりずし、ゆで卵に卵焼き、色つきの寒天やようかん、ういろう、煮しめが定番です。行き先は桜の咲く土手や公園、磯や……
県北西部の日田市大山町でつくられているごちそうです。以前は庭先で鶏を飼っていたので、正月やお盆、秋のおくんちのほか、親戚や近所の人が集まるときは1羽をつぶし、がめ煮をつくりました。今は肉屋で買いますが、昔と同じように親鳥の骨つき肉を使います。親鳥の肉はかたいですが、骨からだしがよく出て、長時間煮……
こじわりは鯖江市や越前市でつくられる、打ち豆と大根の煮物です。打ち豆は、大豆を石臼の上でつぶし乾燥させたもので、保存がきき、丸のままの大豆よりも火が通りやすく、味が出やすいので料理に旨みやコクが加わります。そんな打ち豆を使う料理は、だし汁を使わなくても十分おいしくいただけます。こじわりには大根や……