石鎚《いしづち》山系の中山間地域で食べられていたとうきび(在来種とうもろこし)の粉を、具だくさんの汁ものに入れた主食兼おかずの和風ポタージュのような料理です。おつりの「つる」は「まとめる」「とじる」という意味です。 かつては山の斜面を利用した畑作が多く、とうきびは貴重な主食でした。収穫後は軒下で……
県南の米沢市と周辺の置賜《おきたま》地方では昔から、味噌と砂糖で味をつけ、くるみや大豆などを入れてついた味噌もちがつくられてきました。甘じょっぱい味にくるみのコクが加わったもちは焼いてそのまま食べるもので、昔も今も冬のおやつの定番です。 昔は臼でつきましたが、今は1升づき、2升づきなどのもちつき……
県中央部に位置する佐川《さかわ》町でつくられているきらず(おから)を使ったもちです。きらずともち米を同量混ぜてついてあるので、歯切れがよく食べやすくなっています。あんを包みきび粉をまぶしたもちは、甘すぎずあっさりとしており、ひとつ、またひとつと手が伸びる素朴なおいしさです。きび粉は、硬粒種のとう……
ミキは奄美群島の長寿者が愛飲している、米とさつまいもときび砂糖でつくる発酵飲料です。つくり方は独特で、生のさつまいもに含まれている酵素(アミラーゼ)を利用して米のでんぷんを分解し、そこに植物性乳酸菌が働いてさわやかな甘味とほのかな酸味がつきます。乳酸菌が生きているので最初は酸味はまろやかですが、……