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検索結果:600件のデータが見つかりました。

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    粕汁(京都府)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 66ページ

     粕汁は、寒い冬の汁ものとして重宝されてきました。昔は新巻鮭のアラを入れましたが、今は豚肉などでつくります。材料は安価なものばかりですが、濃厚な汁ができ、冷える日の夕食には最適です。小いも(里芋)を入れることもあり、何を使ってもいいのです。そのときある材料と酒のしぼり粕を利用した汁ですが、白さの中……

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    自然薯のとろろ汁(静岡県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 72ページ

     自然薯は日本各地の山野に自生する日本原産の山芋の一種で、古くから食用、薬用にされてきました。静岡市と藤枝市との境に近い丸子《まりこ》周辺も昔からの自生地で、歌川広重の『東海道五十三次』にも丸子宿のとろろ汁屋が描かれています。宇津ノ谷《うつのや》峠を越える旅人が食べた名物がとろろ汁でした。 自然薯……

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    ムジの汁(沖縄県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 78ページ

     里芋の仲間の田芋は、子いもがたくさんつくので子孫繁栄の意味があります。そのため子どもの誕生や成長に関わるお祝いによく田芋の料理が出されます。「ムジ汁」はその田芋のずいき(葉柄)を無駄なく利用する汁で、かつおだしのうま味、いもと味噌のとろみが豆腐や豚肉とよく合い、ムジはとろけるようにやわらかく滋養……

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    呉汁(福井県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 80ページ

     生の大豆をすり鉢でクリーミーになるまですった呉を味噌汁に入れると、ぶくぶくと泡立ちます。吹きこぼれる寸前のふわっとした状態が食べどきで、ふわふわの舌ざわりに濃厚な大豆のうま味とだしや味噌の風味が合わさり、滋養に満ちた味がします。結婚式、葬式、法事などのごちそうでした。 この呉汁は嶺北《れいほく》……

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    すったて(岐阜県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 84ページ

     「すったて」の語源はすりたて。すりたての大豆を食べる呉汁で、時間がたつとおいしくなくなります。大豆の香りを楽しむために、すった豆を加熱するときには決して煮やさない(沸騰させない)ことが大事です。 豪雪地帯である合掌造りの里・白川郷の冬に、除雪作業の後などに体を温めるのには欠かせません。とても濃厚……

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    呉汁(鳥取県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 85ページ

     大豆は「あぜ豆」といい、以前はどこの家でも田んぼの畔《あぜ》に植えている身近な食材でした。栄養も豊富なため、鳥取の食卓では大豆や豆腐などの大豆製品が頻繁に登場します。中でも水で戻した大豆をすった「呉」を入れた呉汁は、豆腐のように大がかりな道具を使わず少量の大豆でできるので、冬、各家庭でよくつくら……

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    けんちん汁(神奈川県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 89ページ

     根菜と豆腐でつくるけんちん汁は各地で食べられますが、もともとは鎌倉市にある建長寺《けんちょうじ》の開山大覚禅師《かいさんだいかくぜんじ》が鎌倉時代に中国から伝えたとされ、食材を無駄なくいただく精進料理の原点を象徴する汁ものです。これが修行を終えた僧たちによって全国に広まりました。 現在も建長寺で……

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    ゆし豆腐(沖縄県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 92ページ

     ゆし豆腐とは、島豆腐(沖縄豆腐)を型に入れて固める前の、汁けが多い状態の豆腐です。他県で寄せ豆腐、おぼろ豆腐などと呼ばれるものと似ていますが、島豆腐は他県の一般的な豆腐よりかたく、塩分を含んでいるものが多いため、ゆし豆腐も豆腐のおいしさが濃厚で、ほんのり塩味がついた独特のものになっています。口当……

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    納豆汁(山形県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 95ページ

     納豆汁は、すりつぶした納豆と根菜やきのこ、いもがらなどでつくる具だくさんの味噌汁です。加熱をすると、納豆の強い粘りが適度なとろみに変わり冷めにくく、食べると体が温まります。欠かせないのが里芋の茎を干したいもがらで、シャキッとした食感がおいしさを引き立てます。豆腐やこんにゃく、油揚げと食材も多く、……

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    さつま汁(鹿児島県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 100ページ

     地鶏と根菜を使った具だくさんの味噌汁です。島津藩政時代には武士の士気高揚のため薩摩鶏《さつまどり》による闘鶏を奨励しており、闘鶏で負けた鶏をつぶし、汁にしたのが始まりとされています。当時はぶつ切りの薩摩鶏と野菜の鍋を大勢で囲む豪快な男の料理でした。 薩摩鶏は、江戸時代に薩摩藩内で作出された気性の……

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    イナムドゥチ(沖縄県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 101ページ

     イナは猪、ムドゥチは「もどき」の意味です。昔は猪の肉を使った料理が、いつからか豚肉を使うようになったので、「猪もどき」と呼ばれます。短冊にそろえた具をたくさん入れて、白味噌でこってりと仕上げます。沖縄には白味噌の中でもとくに甘めな「イナムドゥチ味噌」があり、これを使うことが多いです。さらに隠し味……

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    けいらん(岩手県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 106ページ

     大きなだんごに椎茸、花麩、三つ葉を添えたお椀を、けいらんといいます。だんごを鶏卵、周りのそうめんを鳥の巣に見立てています。県北部の太平洋に面した野田村で食べられてきた不祝儀のときの料理で、卵を使った料理の代用として植物性の食材でつくられました。昔はだしも精進で、玉ねぎやかんぴょうでとりました。 ……

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    三日のだんご汁(富山県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 109ページ

     ずいきともち米のだんごが入った味噌汁です。ごぼうや白菜、薄揚げなどを入れることもあります。赤ちゃんが生まれて3日目にこの汁をつくって母親に食べさせます。県下全域で「産後3日目に産婦が食べると乳の出がよくなる」といわれています。赤ちゃんが生まれると、もち米の粉と干しずいきのセットにのしをつけて親戚……

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    ちょぼ汁(兵庫県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 110ページ

     淡路島では昔から、古い血を下ろし乳の出をよくするといって、産婦にはずいき入りの味噌汁であるちょぼ汁をつくって食べさせました。ちょぼ汁のちょぼは赤ちゃんのおちょぼ口に由来し、おちょぼ口のようにかわいく美しく育ってほしいとの願いが込められているといわれています。高価な小豆の代わりにささげを使い、ぜん……

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    もろこしのおつけだんご(山梨県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:汁もの 112ページ

     山中湖村は標高が高く土地は火山灰土で、昔から米がとれません。そのため、火山灰土でも育つとうもろこしが増産され、主食として活用してきました。とうもろこしの粉のだんごをヒジロ(囲炉裏)の灰で焼いた「灰もぐり」はご飯代わりで、朝食はいつもオシイ(汁)と灰もぐりでした。オシイにはうどんやだんごを入れるこ……

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    つわぶきと生節のきんぴら風(宮崎県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:野菜のおかず 春から夏 24ページ

     つわぶきは海に面した暖かい日南地方に多く見られ、地元ではつわと呼びます。食べるのは産毛のような細かい毛がついている若い芽の茎で、新しい芽が出始める2月から4月にかけて採取します。産毛をとり除き、皮をむき、アク抜きをしてと手間がかかりますが、つわのほろ苦さは春の味として親しまれてきました。 つわぶ……

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    ごんぱちの炒め煮(和歌山県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:野菜のおかず 春から夏 42ページ

     ごんぱちはタデ科の植物いたどりの方言で、県南部を中心に広く使われている呼び名です。一説では、ごんぱち(権八)は居候《いそうろう》を意味し、山野や道端、川原などいたるところにならず者のようにはびこるので、じゃま者視するところから名づけられたとされています。和歌山県では、わらび、ぜんまいと並ぶ代表的……

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    金時草の酢の物(石川県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:野菜のおかず 春から夏 69ページ

     金時草は金沢が主産地で、15種が認定されている加賀野菜のひとつです。和名は「スイゼンジナ」といい、東南アジアが原産。時代は定かではありませんが、金沢の農家が熊本の水前寺菜を持ち帰り、自家用に栽培したのが始まりで、昭和25年頃からは金沢市場へ出荷されるようになりました。葉の表面は濃い緑色ですが裏面……

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    野菜味噌(北海道)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:野菜のおかず 春から夏 80ページ

     野菜味噌は、夏にとれる野菜を多めの油で炒めてから味噌と砂糖で調味したものです。なす、いんげん、青なんばん(青唐辛子)、青じそ、にんじんと野菜がたっぷりで、青なんばんのピリッとした辛さと青じその香りがきいた甘めの味噌味はご飯にのせておいしく、おにぎりに入れたり、肉を炒めるときの味つけにも使ったりし……

  • 140

    だし(山形県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:野菜のおかず 春から夏 82ページ

     山形県は豪雪地帯であるために寒いイメージが先行しますが、盆地の気候から夏は気温が高く、1933年に記録された山形市の最高気温は2007年に他県に抜かれるまで日本一でした。このような山形の暑い夏になくてはならないのが、だしです。夏野菜を刻んで醤油をかけ、味をなじませただけの火要らずの料理です。みょ……

  • 141

    下北春まなのおひたし(奈良県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:野菜のおかず 秋から冬 54ページ

     吉野郡下北山村は奈良県の東南端にあり、四方を山に囲まれています。気候は温暖ですが、日本屈指の多雨地域です。この地域で昔から自家用に栽培してきた菜っぱが下北春まなです。 下北春まなは、奈良県では「大和の伝統野菜」に認定されており、おもに漬物用として利用されています。9月下旬に種をまき10月中旬に植……

  • 142

    かんぴょうと里芋の煮物(滋賀県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:野菜のおかず 秋から冬 78ページ

     湖東地域にある甲賀《こうか》市水口《みなくち》集落は、重粘土層で水持ちがよい場所なので里芋が育ちやすく、米の不作時の補いとして大事な作物でした。同じように大事なのが特産であるユウガオです。ユウガオの果肉をむいて干したかんぴょうは、料理の脇役になることが多いのですが、この地域では主役になり、かんぴ……

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    海藻寄せ(茨城県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:いも・豆・海藻のおかず 78ページ

     石岡市や鹿嶋市では正月料理の口取りとしてつくられています。若い人はあまり食べませんが、年配の方には懐かしい味で、正月に限らず日常的に食べています。正月料理の重詰めにするときは、にんじんなどを細いせん切りにして入れると、彩りもよくなります。 材料の本海藻は地元ではとれず、千葉県の銚子方面から行商が……

  • 144

    おきゅうとの酢の物(福岡県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:いも・豆・海藻のおかず 98ページ

     おきゅうとは海藻を煮溶かして固めたもので、貝原益軒《かいばらえきけん》の『筑前国《ちくぜんのくに》続風土記《ぞくふどき》』によると、江戸時代・元文《げんぶん》3年(1738年)にはすでに食用としていました。博多弁で「味のあるごつ、なかごつ(味があるようなないような)」といわれますが、淡泊な味わい……

  • 145

    赤こんにゃく煮(滋賀県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:いも・豆・海藻のおかず 107ページ

     近江八幡市で食べられている赤こんにゃくの煮物です。きれいな赤色は縁起がよいので正月料理に欠かせない一品で、昔は年末になるとこんにゃく玉を五つほど縄でくくったものが売られていたり、リヤカーで売りにくる人もいたそうです。祭りや法事などの「なんぞごと」でも赤こんにゃくを炊きました。 独特の赤い色は三二……

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    もち料理(宮城県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:米のおやつともち 6ページ

     県北に位置する登米《とめ》市は、広大な平野部に田んぼが広がる一大稲作地帯で、伊豆沼や長沼など沼が点在する水郷でもあります。豊かな土地を背景に、ここでは昔から何かあればもちをついて食べてきました。正月はもちろん、お盆にはおみやげもちを供え、彼岸にもおはぎではなくもちをつきます。法事でも、以前は四十……

  • 147

    おくもじ(奈良県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:漬物・佃煮・なめ味噌 44ページ

     県南の山間地域、大和高原などでは、真菜、しゃくし菜、高菜などの漬け菜が多く栽培され、その塩漬けを「おくも」とか「おくもじ」と呼んでいます。地域によっては漬物全般を、あるいは漬け菜の漬物の炒め煮を指す場合もあります。 宇陀市室生西谷《うだしむろうにしたに》では、高菜の漬物をごま油で炒め、味つけした……

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    ぬか漬け(大阪府)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:漬物・佃煮・なめ味噌 59ページ

     ぬか漬けはぬか味噌漬け、どぶ漬けなどとも呼ばれます。昭和の時代には、どこの家庭にもぬか床があり、毎日、明日の分の野菜を加えてはかき混ぜて何代にもわたって受け継いできました。長く漬かった古漬けになったら、さっと洗って、おろししょうがと醤油をかけて食べるのもおいしいものです。 八尾市などの中河内《な……

  • 149

    旬野菜のぬか漬け(埼玉県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:漬物・佃煮・なめ味噌 65ページ

     米ぬかに塩、水を混ぜて発酵させたものを漬け床として、野菜を短期間漬けたものがぬか漬けで、独特の香りが特徴です。 聞き書きの調査地である加須市、埼玉県東部低地は利根川の中流域に位置し、年間を通じて野菜が多くとれるため、保存食の必要がない地域でした。昔から物資の流通もさかんだったので、冬季に保存を目……

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    はば雑煮(千葉県)

    • 日本の家庭料理
    • 日本の家庭料理:年取りと正月の料理 12ページ

     すまし汁にもちを入れ、あぶったはばのりと青のり、かつお節を混ぜたものをたっぷりかけます。濃いうま味と潮の味がきいた雑煮です。県東部の海匝《かいそう》地域、とくに山武《さんむ》市や東金《とうがね》市、海沿いの九十九里浜周辺などで食べられています。東金市は海沿いではありませんが、海産物が集まる問屋町……

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