岐阜市の長良川では1300年以上の歴史をもつとされる鮎の伝統漁法「鵜飼《うかい》」があります。鵜を操る鵜匠《うしょう》は世襲制で、親から子へと受け継がれています。 鮎なれずしは鵜匠の家に伝わる家庭料理です。古くは保存食だったようですが、江戸時代には将軍家への献上品としていました。一部の鵜匠家では……
なれずしは腐れずしと呼ばれ、県全域で見られ、いずれも「生なれ」に属します。多くが姿ずしの形でつくられ、魚種は北勢・中南勢・伊賀ではコノシロが、東紀州・伊勢で鮎がよく使われます。今回紹介するのは、東紀州熊野川流域の鮎のなれずしですが、熊野川に昭和30年代にダムができて鮎の入手が困難になり、近年はさ……