宮城では練ることを「ねっけ」といいます。そばねっけは、その名のとおり、そば粉に水を加えて熱しながらもちのような粘りが出るまでよく練ったもの。単に「ねっけ」と呼んだり「そばねり」とも呼びます。冷めるとかたくなるので熱いうちにじゅうねん(えごま)たれをかけて食べます。ほんのり苦くねっとりとした食感の……
鹿児島との県境に近い都城《みやこのじょう》盆地は、シラス台地に覆われ、田が少なく小麦も多くはとれませんが、さつまいもやソバができます。標高の高い西岳のそば粉はおいしく、一年中、そば切り(かけそば)やかきそば(そばがき)、そばじゅい(そば汁)などにして食べられました。 夜のご飯が少ないときや寒い夜……
旧利賀村(現南砺《なんと》市)は富山県の南西部に位置しています。旧平《たいら》村、旧上平《かみたいら》村と合わせた一帯を五箇山《ごかやま》といい、標高1000mを超える山々に囲まれた豪雪地帯です。隣接する岐阜県の白川郷とともに「白川郷・五箇山の合掌造り集落」が世界遺産に登録されています。稲作が難……
そまんずしは、そばの雑炊《ずし》のことです。昔は寒い冬の夕食に囲炉裏を囲みフウフウ吹きながら食べ、体の芯から温まりました。 米が少なかった鹿児島の農村部では、米の代用食としてそばが広く用いられました。火砕流が堆積してできたシラス土壌は、やせ地で米や小麦の生育が悪かったため、生育期間が短く、手間が……