『現代農業』1989年1月号 186ページ~191ページ(ページ数:6)

タイトル

世の中を見すえる

竹下税制改革に物申す(8)

悪平等な「大衆課税」による弱い者いじめをやめよ

執筆者・取材対象: 富岡幸雄

見出し

●複数税率やゼロ税率を設け「逆進性の緩和」に配慮しているヨーロッパ各国の付加価値税◎(1)イタリアは、標準税率と軽減税率のほかに非常に高い割増税率、非常に安い特別軽減税率を設定-38%の割増税率と2%の特別軽減税率で逆進的にならないようにしている-◎(2)イギリスは、多くの生活必需品等を完全免税にするために、とくに「ゼロ税率」を設定-仕入税額の控除や還付ができる「ゼロ税率」が広く適用されている-●個別消費税のメリットが見直され、物品税におけるアンバランスを是正すべきだ◎(1)個々の課税物品の消費の担税力に応じ、複数税率を設けて課税しようとしている現行の物品税-標準税率の上下に割増税率と軽減税率を設けている税率構造-◎(2)政府により盛んに強調されている現行物品税の課税実態のアンバランスと問題点-その不合理の原因は是正を怠った国会と政府にある-◎(3)消費課税は、消費に示される担税力に対して応能的に課税するという税哲学を確立すべきだ-政府は自ら指摘しているアンバランスを積極的に是正すればよい-●間接税でも工夫をすれば、悪平等課税の「堕落」から救われ、「大衆課税」を緩和する方法がある

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