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暖房機の風を利用して防除をしようというやり方は他にもあります。この方法にボトキラー水和剤を使うことは、登録が下りていないので現段階では無理ですが、ニッキ油を使うやり方が、灰カビを抑える効果があるとして、関東のキュウリ農家のあいだで広がっているようです。
やり方は、毎夕、ハウス用暖房機の吹き出し口付近に、ニッキ油の原液か希釈液30~50ccを灰皿などに入れて置くというもの。ニッキ油は「らくじゃん103」という資材で、ユーカリ油成分も含んでいるとのこと。
この資材を扱うアビオン(株)によると、「ニッキ(肉桂)油やユーカリ油にはフィトンチッドという成分が含まれている。フィトンチッドは植物が自分の体を守るために分泌、発散する成分のひとつで、殺菌・抗菌力をもっている。このため、ハウスでこのやり方をすると、フィトンチッド成分が温風に乗ってハウス全体に運ばれ、ハウス内の菌の発芽と繁殖が抑制される」というしくみのようです。直接殺菌をするわけではないので、条件によって一定の菌密度になった場合には発病することもあるとのこと。従来の防除体系の中に組み込んで使うと、耐性菌がつかないので、農薬が効く環境をつくってくれるようです。
(「らくじゃん103」の問い合わせはアビオン(株)まで。TEL03―3709―30006)