宮崎県では、蜂の子は県北の山間部だけではなく、日南《にちなん》市や児湯《こゆ》郡など海岸寄りの地域でも食べられています。蜂の種類は、アシナガバチ、キイロスズメバチ、クロスズメバチ、そして宮崎ではクマバチと呼ぶオオスズメバチ。地上に巣をつくるキイロスズメバチは、動きが鈍い月明かりのない闇夜をねらっ……
へぼとは蜂の子、クロスズメバチなどの幼虫のことです。かつては山里の貴重なたんぱく質源でしたが、岐阜、長野の県境に近い山深い津具《つぐ》では、今も時期になると山にとりに行きます。このへぼとりには心躍る特別な魅力があり、巣を見つけること、調理して知り合いに配ることが楽しく、大の大人が喜び勇んで出かけ……
東は長野県、南は愛知県に接して山間部の多い東濃地域ではクロスズメバチの幼虫やさなぎを食用にしたものを「へぼ」と呼び、へぼを空炒りして醤油、酒、みりんなどで煮た「へぼの佃煮」がごちそうです。見た目に反して(?)コクがありおいしく、滋養食として親しまれてきました。へぼ飯はそのへぼの佃煮を混ぜこんだご……